手作りの木製樽を作るために「樽丸」を用いますが、吉野杉材の最も芯に近い部分は使い道がないので、今のような寒い時期ですと作業場の焚き火にしたり、あるいは薪ストーブで焼べたりします。
山の中では、村人が競って「竃(かまど)」用に持ち帰ります。
かつては、この芯材を使って木製樽のフタに使う天星などの木栓類を、これも一個一個手作りでこしらえたもので、吉野杉は捨てる所がないという点が自慢でしたが、杉は柾目になると、水分が滲み出し易いので、椹(さわら)材に取って代わりました。
ところが、椹(さわら)は その独特の香りが清酒に悪い影響を与える上に、やはり滲みが若干あり、短期間で その寿命を終えました。
昔は兵庫県の尼崎方面に手作りの木栓屋が沢山ありましたけれど、今は一軒もありません。
最近では、全ての木栓類に「高野槙(まき)」を使っています。
槙(まき)にも特有の香りがありますが、余り清酒に悪影響を与える事もなく、
何より、液体を漏らさないという特性が最大の理由です。
0 件のコメント:
コメントを投稿