2016年11月28日

秋が終わる

最近は春や秋の過ごしやすい季節が短くなってきて、夏から一気に冬へ突入。
日本特有の四季の優雅さが消えてゆきます。
紅葉狩りする間もなく散ってゆきます。花見の頃もそうでした。

映画の撮影に使われる樽(たる)

映画やテレビドラマで、殊に江戸時代或いは明治時代を表現する小道具に酒樽が使われる事が多い。この写真はブロマイドやスティール写真ではなく、某新聞社写真部の資料に紛れていた単なる撮影風景。その証拠に手前右に現代のスタッフが、左側にマイクを持った手が写り込んでいる。昭和50年代かと思われる。ここに写っているのは酒樽ではなく、醤油樽だろう。使用済みの樽を椅子に転用する事は昔からあったみたい。低いので足を付けている所を見ると一斗樽。古い一斗の醤油樽は塩分を含んで非常に丈夫になる。
何の映画か作品名は不明。

2016年11月27日

三ツ目錐と四方錐

上が本当の「ミツメ錐(きり)」です。
愛用していた錐がとうとう折れたので、金物屋へ行くと「電動ドリルの歯しかない」「今頃、錐なんか使わへんで」と言われ五軒目で、ようやくデッドストックを発見。錐にも「三ツ目錐」と「四方錐」がある事を知る。

酒樽の蓋に穴を開ける

ミツメ錐と呼んでいましたが、正確な名称ではないと思う。

この大きな錐(きり)の取っ手を両手に挟んで厚さ2.5センチ程の杉に穴を開ける。掌にマメが出来る。阪神淡路大震災の時、長期間停電だったので、これで汗だくになって穴明けをした。
かつて昔堅気で「電気」を信用しない97歳の職人だけが使っていた事を思い出して道具凾から出してきた。彼は実のところ「電気」が怖かったか、昔の段取りしか出来無かったのかも知れないけれど、「電気」と「デジタル」を過信しない方が良いと思う。

樽丸を乾燥させる

削り終わった榑(くれ)を数ヵ月、屋外に井の字に組んで風や日光に当てて乾燥させます。川の傍などが最適です。吉野杉特有の良い色が出てきます。時には逆に色が悪くなってしまう事もありますし、河辺は強い台風の時に流される危険があるものの多少の雨風に当てる方が早く乾燥し、発色も良いものです。何より平地が少ないため、このように干場を作らざるを得ません。夏などは、川の流れを聞きながらここでの昼寝は最高です。汗が出たら向こう岸の竹藪の方へ降りて行って水浴びします。そりゃあ皆さん長生きする筈です。その代わりコンビニも自販機もありません。そんな物は無い方がいいのです。

2016年11月26日

酒樽の天星を空ける

かつて、全ての酒関係の店、造り酒屋、酒問屋、酒小売店、居酒屋、そして当然ながら酒樽屋

一旦打ち込んだ天星を抜く道具です。小さい方はワインのカバタッピです。原理は全くおなじでスクリューを天星にグリグリ捩じ込み、この道具だけはネジの金属部だけ90度曲がり、樽を支えにして置き、先を木槌で叩けば簡単に抜けます。
例えば酒樽の出来が悪くて、洩れがあり、別の樽に入れ換える時等には必需品です。
残念ながら名称を忘れた。

酒樽に使う天星(てんぼし)

酒樽に酒を注ぎ入れる時、フタに開いている小さい穴をを使います。酒を詰め終わったら、この木栓を叩き込むのです。
直径約5センチ、厚み2.5センチ程の小さい部品ですが、これが無いと酒樽を運ぶ事が出来ないのです。「天星」と言います。フタの事を「かがみ」と言うから、そこに詰める物は「星」なのかなぁ。
昔はずっとこれも杉を使っていました。昭和50年位に滲みが問題になり、椹(さわら)を使ってみましたが、やはり少し滲むので全国的に槇(まき)を使う様になりました。槇独特の香りを差し引いても滲まない点が尊重された訳です。最近また杉に戻す試みをしています。乾燥に一年かかる所が難点。

2016年11月19日

神戸 元町で酒樽の鏡開き

日々、寂しくなっていく神戸元町本通での酒樽鏡開き、午後7時に閉店する、ここの商店街で夜8時9時までのイベントは珍しいのです。

2016年11月18日

酒樽になる吉野杉のセリ風景

本日、夜10時からテレビ東京系列で吉野杉のセリ風景を放送します。立木を伐採する所からヘリコプターで集積場へ移動。原木市場へ運び、市場でのセリ風景、買った原木を加工して樽丸に。最後は「たるや竹十」の酒樽が写真だけで登場。

2016年11月17日

2016年11月15日

樽太鼓 蓋の交換

酒樽を最初から楽器として作ったものが樽太鼓ですが、神戸市の殆どの小学校、新潟の樽砧関係。川崎市などで盛んです。
阪神淡路大震災の折に神戸市立の小学校が手持ちの樽太鼓を無くしたり、焼失したりしたので、たるや竹十も酒樽に向かない材料を使って底蓋と竹の代金だけで作った経緯があります。
蓋を叩くので何年かに一回は修理の依頼が来ます。写真の蓋は一度裏返した物なので、今回は取り換えです。竹も当然傷んでいるので、時には総換え。冷暗所に保管すれば二三年は使えます。新潟方面では側面も叩くので修理は不可能です。毎年、春から秋にかけて注文があり、冬には殆ど依頼はありません。酒樽屋の仕事つなぎで利益のない仕事です。

2016年11月14日

酒樽の蓋に穴を開ける「三目錐」

今では酒樽の蓋に穴を開けるには電動のボール盤を使いますが、昭和30年代頃までは三目錐を使っていました。結構、力を要します。