2008年11月19日

酒樽屋が出入りする蔵元が作った奈良漬

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酒樽屋はかつて、蔵元と対等の立場にはなく、あくまで出入りの業者の一人でしかなかったのですが、ここまで日本に於ける酒樽屋の数が減って来たりしますと、二者の関係は密になって来ます。
先日、酒樽の配達に参りました折、自作の(販売はしない)奈良漬とお茶を出して頂き、たいそう恐縮しました。
昔は酒樽屋は蔵元の店先で失礼するもので、逆はあっても このような例はありませんでした。
帰店後、画像を見て時の推移を感じる酒樽屋でありました。

書き忘れました。
肝心の「奈良漬」ですが、美味しいのですけれど絶対に市販はしないのだそうです。
酒樽屋は奇しくも珍品を頂いた訳です。

2008年11月13日

酒樽屋がつくる漬物樽(つけものだる)

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晩秋です。いえ、立冬も過ぎたのでしたね....................
酒樽の季節なのですが、漬物の季節でもあります。
酒樽屋では酒樽製造と平行して、漬物樽(つけものだる)
を作っております。


画像は二斗漬物樽(つけものだる)の中に一斗漬物樽(つけものだる)を入れ子にしたもの。
一個口になるので、運送費が安くなります。

2008年11月12日

酒樽屋の恩人古書店主死す

酒樽屋が十代の頃から、お世話になっていた大阪の古書店「浪速書林」の主人梶原正弘氏が昨日、急逝されました。
葬儀は明日13日正午、大阪府池田市新町1−16
弘誓寺(ぐぜいじ)
酒樽とは何の関係もありませんが、ご専門の近代文学とは縁のない酒樽関係の資料蒐集に随分協力して下さいました。

ご冥福をお祈り致します。

2008年11月11日

酒樽屋の前に並ぶ末竹

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酒樽(さかだる)の箍(タガ)には竹の中でも真竹のみを使います。
細工しやすく、かつ強度があるからです。

根元の部分「もと」と写真の先の部分「すえ」は切断します。
それらを使って竹杓や取手、竹釘、ささら、等を作り、残りは消却します。

何故か竹は材木より火力が強いので、冬は自宅のストーブに投げ込んで暖房用に使い、
夏は友人のピザ屋さんが軽トラックで取りにやって来てイタリア食材と交換します。



2008年11月7日

酒樽屋に酒樽が戻って来る

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世に瓶詰めの樽酒というものが流通しております。

一般に酒樽そのものを使う機会はそんなに無い事ですから、樽酒の普及の為には
有り難いことですし、皆さんも手軽に樽酒を呑む事が出来る訳です。

もちろん本当に清酒を酒樽に詰めて、木香を取るのですが、
この蔵元が使っている木香取り用木樽は、いわゆる甲付樽(こうつきだる)
ゆっくり、ほんのりとした杉の香が酒自身の芳香と数日の貯蔵期間の間にうまく、
あいまって樽酒特有ののどごしが生まれます。
ただ、ここの酒樽は甲付樽ですから、樽酒に使った後の処理に困ります。
つまり、外側の白い部分が水に弱く、長期保存用の容器には向いていないのです。

フタを抜いて漬物樽に使うには赤味樽あるいは中赤や黒樽の方が向いております。

物事には用途に適したものを使うという事が大事です。
シルクのスーツを着てマラソンに参加する人は どこにもいないでしょう。
この「甲付たる」は酒樽屋竹十の職人が一旦全部分解しフタやタガを新たなものに取り替えて、展示用や樽太鼓に改造し再利用します。

また、残念な事に底蓋と側などすべてに吉野杉を使っている蔵元は数える程です。
秋田杉や肥後杉、周山杉、木曽杉などは樽酒には向いておりません。
やはり、清酒には吉野杉が一番です。その中でも川上村産が最高です。
殊に、酒に最も長い間 触れている底(そこ)には必ず吉野杉を使うべきなのです。
酒樽屋竹十の酒樽は吉野杉を使っております。

2008年11月5日

再び消えた「樽廻船」

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路上を奇妙な形のバスが走っております。
普通のバスではないと気づき、酒樽屋が後を追いかけて行くと

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なんと数十人の乗客を乗せたまま、バスは海の中へ!!!!!
水陸両用バスだった訳ですね。
ここは神戸市灘区および東灘区で唯一、歩いて海へ行ける地点で、
樽屋竹十のすぐ近くです。

つまり、かつて酒樽を満載した樽廻船(たるかいせん)が江戸に向かった浜なのです。

スプラッシュこうべ」という企画だそうです。「飛沫」という意味ですね。
海に入る時には、確かに乗客も水浸しになります。
そういう理由ではないのでしょうが、現在は神戸市中央区のメリケン波止場からしか海には入らなくなり、灘の浜から定期的に かつての樽廻船のごとく船が出てゆく光景を眺めることは
出来なくなってしまいました。

はじめてこの企画を耳にした時は中央区の波止場から海上を遊覧し樽屋竹十横の浜に着くのかなと想像していたのですが、実際は余りに危険なので樽屋竹十付近を少し周海するだけでがっかりしました。



2008年11月4日

酒樽屋の今月の自転車 銀座のチネリ

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銀座 伊東屋のウインドーに何故か80年代のチネリのロードが,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,

左のホイール振れ取り台や小物を見る限り、どうやら横尾双輪館あたりに協力を仰ぎ、
展示した模様です。
コンポーネンツはカンパニョーロのグランスポルトですが、CINELLIのロゴは新しい方。

実際はここで大々的に売っているフライターグをメッセンジャーよろしく肩にかけろというつもりなのでしょう。





酒樽屋の「手前味噌」

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味噌だるの御注文は全国から頂くのですが、
恥ずかしながら、樽屋の親方もその女房も味噌を作った経験がなく、
皆さんの様々な問合せに対し具体的に返答する事が出来ず困っておりました。

味噌だる自体は売るほど持っているのですが、味噌をこしらえるのは初めてです。
今年の冬に、友人からもらった大豆、樽屋竹十が納めた木樽で作られた天草の塩、
そして麹は泉酒造の西野さんに分けてもらった山田錦の米麹と いい材料で仕込みました。

初めてながら、ご覧のように美味しく出来ました。
表面の白い黴はチーズのそれと同じで害はありません。



2008年11月2日

酒樽屋が出荷する樽太鼓

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さる幼稚園からの依頼で樽太鼓をたくさん出荷しました。

本来、この時期は樽太鼓の注文が止まり、漬物樽、味噌だるの注文へ移行する頃なのですが、
祭りや音楽会が終わりますと樽太鼓も相当痛みますから、来年用に新調される方もいらっしゃる訳です。
この幼稚園は少し時期が遅くて、11月に音楽会を催されるらしく、樽太鼓が急遽必要になり、
注文下さったようです。
樽屋竹十の樽太鼓の在庫は他の木樽に比べると多い方なのですが、手持ちの樽太鼓では数が足らず、
慌てて、残業して納期に間に合わせました。
ですから、樽屋竹十には樽太鼓の在庫は今はありません。
来週、酒樽を作る合間に又、30個ばかり作らねばなりません。

写真の右に写っている丸いものは、醸造用桶の底です。
これも分厚い吉野杉で出来ております。



2008年11月1日

十一月、霜月、昴宿、漬物だる

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ようやく、「秋」です。植物の季節です。
紅葉もしていないし、昼間はシャツ一枚でないと暑かった時期が続きましたが、
ここのところ、朝晩涼しいどころか寒くなって来て、風邪を召される方も続出。
このまま一気に「秋」を飛ばして「冬」に突入の兆しです。
日本だけが持つ「秋」の期間が年々、短くなって行くような気がします。
確か「春」の頃もそうでした。
日本特有の四季というものが無くなって、夏と冬だけになってしまう時代が来るのも
時間の問題かも知れません。

写真は酒樽を再利用した植木樽ですが、
暦によれば11月は大根を漬けるのに最適な時期、漬物だるの注文が増えております。
つまり、「たくあん」作り用ですね。

漬物だるも某国製のプラスチックでは気味が悪い、陶磁器のカメでは水が上がる
というので、吉野杉製の漬物だるに代える方が殆どです。