2010年4月26日

樽屋 ニュース番組に登場

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遅いけれど、桜の季節です。
「テレビ大阪」の『NEWS BIZ』という夕方のニュース番組に取り上げられました。

樽のタガにする竹を割ってくれている「松下竹店」と「泉勇之介商店」も協力してくれました。

2010年4月21日

古い醤油用の木樽(たる)

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倉庫を整理していたら、昔の醤油樽(たる)がいくつか出て来ました。
明治から昭和30年代の終わり頃まで、
竹十では主に小豆島の醤油屋さんへ大量の醤油樽(たる)を
船積みして出荷しておりました。
もっぱら業務用の四斗樽(72ℓ)でした。

木樽(たる)の箍(たが)も何十年も経過しますと画像のように飴色になります。
切ったばかりの青い竹も清々しいものですが、このように古色が出て来ますと、
また別の味わいがあって、むしろ需要が増えて来て探し出すのに苦労いたします。
新しく同じ物を作ることは出来ませんから、これに似た古い感じの樽(たる)を
作る機会が増えました。


2010年4月10日

昔の木製樽のように、丈夫な底と蓋をつくる

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ほんの20〜30年程前、大量に均一の酒樽を製造しなければならない時代があり、
そのために多くの樽屋は木工用の接着剤を多用し始めました。
「たるや竹十」でも、その手法が残ったままになっておりました。
考えるところがあって最近、木製樽の製造工程上、本体の樽にはもちろん、蓋(ふた)にも底にも化学物質を含む接着剤を一切使わない事にしました。
江戸時代までさかのぼらなくても、昭和の中頃までは樽をつくる際に接着剤を使いませんでした。
需要が少なくなった今となっては、かつての伝統的な手法を復元する事が
少々手間はかかりますけれど川上産の吉野杉のみを用いた良質の木製樽を作る唯一の手段だと判断したからです。
底や蓋においては数枚の杉板を継ぐ際に接着剤の替わりに竹釘を使います。

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漬物樽や味噌樽の押し蓋と上蓋も接着剤を使わずに竹釘を使用し、
更に厚みを2センチ程の丈夫な吉野杉の板目材を使う事にしました。
写真の上が新型。見た目は悪いですけれど、丈夫で安全です。

尚、例外として食品の容器ではない樽太鼓とディスプレイ用展示樽の蓋の一部には、
接着剤を使う事が未だありますが、御容赦下さい。
いずれ全ての木製樽を接着剤未使用にして行く積もりです。




味噌(みそ)作りの容器に木製樽を使う

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数年前から、味噌(みそ)を家庭で作られる方が増えてまいりました。

自家栽培の有機大豆、国産の天日塩、手づくり麹まで揃えておられるのに、
肝心の容器がホウロウや陶器、プラスチックでは折角の味噌が台無しです。
味噌(みそ)を醗酵させるために最適な容器は木製樽なのです。

木製樽は自身が呼吸しているので不要な水分を外へ出し、
新鮮な空気を中に入れて理想的な醗酵を促します。
木製樽の中でも選ぶのなら杉材のものを。出来れば吉野杉の樽を。
そして柾目ではなく、板目の物を使って下さい。
長期保存のための容器には「木製桶」でも柾目材は使わず、板目材を使用します。
柾目ですと長い期間に木目から液が滲み出してしまうからです。

写真の味噌樽(大)は敢えて赤味材の中でも黒い部分を選んで作りました。
黒い方が「アク」は強いのですが、木製容器としては丈夫なのです。

弊店の木製味噌容器は「樽」であって、「桶(おけ)」ではないのです。
「桶」の手法で木製容器をつくると、「樽」よりも時間と費用がかかります。
出来るだけ廉価に手作り味噌の容器を皆さんに提供したくて試行錯誤の末、
ようやく完成しました。

今は更に大きい味噌樽も試作中です。もうすぐHP上に登場の予定です。
もちろん、全ての部分に接着剤は一切使用しません。

尚、右に写っている蓋(ふた)は、樽(たる)に使う「落し蓋」と「上蓋」。
厚みは1センチ以下ですし、更に柾目材なので、長い間使っていると、
湿気を含んで歪んで来る可能性があります。
今は蓋(ふた)も板目材に順次変更して、継ぎ目には竹釘を使うように変更しました。
厚みも2センチ程のしっかりした物に順次替えております。





2010年4月8日

酒樽屋のお八つ  その弐拾玖 

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桜、満開。
花見団子ですけれど、形は同じでも餡で出来た茶席用のもの。
酒樽屋の親方は、お八つに気楽にいただきました。
お薄はビタミンがたっぷりだそうです。

DSC00445.JPGDSC00446.JPGDSC00448.JPG  

その他の蒸菓子「若草」「春日野」「桜花」
甲乙つけ難し。





御菓子司 緑菴(りょくあん)

定休日 第2、第4水曜(祝日を除く)
営業時間 午前9時~午後7時
 京都市左京区浄土寺下南田町126-6
 電話 075-751-7126

2010年4月7日

鏡開き用の酒樽に「謝」と書す

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某研究室の謝恩会に吉野杉の酒樽で鏡開きをしたいという依頼がありました。
主賓の教授が大の日本酒党なので院生の方々が、是非、鏡開きの宴を催したいという趣旨。

一斗樽に菰を巻いては折角の酒樽が台無しになるので、
酒樽の正面に「謝」と墨書きしてもらった和紙を貼ったら酒樽が一段と引き締まりました。

20年程前までは菰を巻かずに鏡開きしておりました。
その頃までは、必ず酒樽の正面に酒の銘柄を刷り込む風習があり、それを「腹書き」と呼んでおりました。

学生たちに囲まれた先生の、お喜びになっている顔が見えてくるようです。