2011年6月26日

酒樽屋 「青騎士」へ駆けつける

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酒樽屋から歩いて行ける美術館で「カンディンスキーと青騎士展」が開催されていたのは夙に知っていていましたが、
知人たちが遠くから早々に観に来ているのに酒樽屋は近所過ぎるのと、
何度行っても迷子になる奇妙な美術館であることも手伝って、出かけるのは何時も会期終盤になってしまいます。
一枚のKleeの小品だけが異質でした。
会場にはSchoenbergが流れておりました。

2011年6月15日

酒樽屋にも東日本大震災の影響が少し

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避難所、仮設住宅、復興住宅と16年前の神戸での大震災を想起させる言葉が
メディアの各所に見られ、忘れていた記憶がよみがえり気が滅入ってきます。
国内での震災による自粛ムードは徐々に薄らいで来ましたが、
外国から見た今の日本は、全国が放射能に汚染されているように感じるようです。

先日も随分前から準備していた海外輸送用の酒樽がキャンセルになりました。
理由は記されておりませんでしたが、恐らく放射能に対する恐怖でしょう。

近所のロシア料理店のオーナーも、慌てて本国に帰ってしまいました。
恐らく半年くらいは戻って来ないでしょう。
彼の場合もチェルノブイリの記憶が甦って来たのでしょう。

2011年6月7日

木製樽(たる)を再利用して植木鉢として使う

芒種 (ぼうしゅ)であります。
現代と若干の時期のずれがあり、最近の異常気象の関係も影響して、
実際の日にちの異動はあるものの、昔から穀物の種を植える目安となる日です。

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写真は何度か登場した、沢の鶴資料館(昔の酒蔵)に併設された駐車場の入り口風景です。
酒樽屋は、その真正面に建っているので、資料館に見学に来られた観光の方々が立ち寄られます。

吉野杉と竹だけで出来た木製樽(たる)の原材料は全て植物なのですから、
植木鉢に転用した酒樽という容器で植物を育てる事は、植えられる植物にとっても、
植物同士ですから、これほど適した容器はない訳です。
漬物樽や味噌樽同様に樽(たる)自体が呼吸しているので、植物の生育が活発になり、
陶磁器の容器等の比べると生育が数倍盛んになり驚かされます。

植物に限らず、魚類の保存にも木製樽は適しているようで、
プラスチック系の容器だと鱗(うろこ)が取れてしまうため木製容器の方が良いようです。
かつて、「トロバコ」という水産類の輸送保管には木製の函が利用されていましたが、
最近は殆ど発泡スチロール製の容器を見る事が多くなりました。







2011年6月6日

酒樽屋 昭和初期の小売酒店の写真に木製樽を見る

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昭和30年代までは輸送用の容器として木製樽が主流を占めておりました。
町の酒屋に行く時も自宅から通い徳利を持参して、酒樽から今夜必要なだけの酒を買いに行ったものです。
沢山の木製樽の後ろにガラスの一升瓶も見えますが、普段これを買う程には日本は未だ裕福ではなかったのです。
一升瓶は、もっぱら進物用に使われていました。
「大関」とか「白雪」など今でも残っている蔵から出荷された菰被りの酒樽が多く見られますけれど、
菰は輸送時の緩衝材ですから、写真の女性が選んでいる裸の木製樽の方が自然な感じがします。
これは無地の菰を仮巻という略式の方法で簡単に巻いて、店に届いたら菰は解いてしまっていたものです。

なお、かつて清酒のための輸送容器は全て四斗樽でした。
今は、木製樽はもちろん、一升瓶も陰をひそめて酒は量販店で紙パックを買う時代になりました。