秋の銀色三連休の日曜日。皆さんいかが御過ごしでしょう。
新潟では恒例となった新潟総踊りが目出度く10周年記念となりました。
わざわざ樽屋竹十まで来て下さり太鼓演奏の実演まで披露して下さり、
又、その後は何度も試作品を作っては先生の厳しい試し打ちに適わず、
失敗も繰り返しながらの10年でした。
佐藤さん、鼓山先生、スタッフの方々、ボランティアの皆様、お疲れさまでした。
これからも宜しく御願いします。
にいがた総踊りの樽太鼓の叩き方は樽を潰すという程の迫力ですから、
それに耐えられるように特別に強靭に作っているのです。
最初の頃は単純に蓋や側を厚くすれば良いと勘違いした事もありました。
いくつもの樽太鼓に水を容れて見たりもしました。
側は厚くしましたけれど蓋と底は薄い板を使い、
タガを強く締めれば良い音が出る訳です。
但し、傷み方が早いので、「樽砧」専用のような木製タル太鼓です。
昨年は新潟まで4トントラックで出かけたのですが、ニアミスでした。
今年は別のところへ行くので亦々勇姿を拝見出来ません。
総踊り実行委員会 (株)サイトのサイトより
師匠の永島鼓山氏です
祭りの使用後に戻って来た「樽砧」用の樽太鼓ですが、側面が数カ所も破れていて、
その叩き様の激しさを想像することが出来ます。
但し、木製樽としては修理、再生は不可能です。
どの程度の傷み具合かを知りたかったので、参考までに返送してもらった樽です。
最近は、側面に少し厚い杉板を使って少しでも長持ちするように変更してみました。
2011年9月17日
2011年9月13日
2011年9月12日
昔の菰の巻き方
2011年9月10日
建築用の足場に竹を使う
2011年9月9日
2011年9月8日
吉野杉の樽丸作り その2
吉野川の清流を前に樽丸の仕上げ作業をする山本さん。
「銑(せん)」という特殊な刃物を使って、割った杉の裏と表の厚みを揃え、
木のねじれを修正していきます。
本日、白露。
周囲全てが杉だらけの自然環境は鎮静作用があって何より心地良いものですが、
川上村も襲った、この度の台風12号の脅威は「自然」が持つ優しさの裏側に隠れた
恐ろしさという二面性を思い知らされました。
よく切れる刃物の大鋸屑(おがくず)は着火材や防臭材にもなるのです。
2011年9月7日
吉野杉の樽丸つくり その後
ミカン割りした吉野杉を丸みの付いた鉈(なた)と大槌を使い、
全てを6分(2センチ弱)の厚さに割ります。
木目が切れては樽丸にはならないので、決して製材機は使用しませんし、
素性の良い吉野杉ですと、手で割る方が簡単に良質の樽丸が出来ます。
��0秒〜50秒くらいの所が「甲付(こうつき)」を割っている所。
外側に赤味が出ては「背抜け」になり、内側に白太が出ると「甲付」にはなりません。
ほり出した一番外側は「箸」の材料に、最も内側は、昔は底や木栓の材料にしましたが、
今では、もっぱら燃料となります。
この作業をしているY氏の作業場が今回の台風で土砂に埋まってしまいました。
今も復旧作業中ですが、何とか元のように戻って仕事が出来る様になってもらいたいものです。
2011年9月6日
台風12号 吉野林業へ大きな被害をもたらす
大型台風が吉野杉の産地、紀伊半島を直撃。
しかも低速で居座ったために普段から日本一雨量が多い地域なのに、
未曾有の雨が続いたために山崩れが多発しました。
メディアでは余り報道されていませんけれど、
吉野杉の川上村でも命に関わる被害こそ出ておりませんが、
家屋の被害は多発していて、
「たるや竹十」用の樽丸を作っている工場も土砂に埋もれてしまいました。
現在も復旧作業中です。
写真は初夏の台風による被害で、倒れて来た杉が狭い林道をふさぎ、
乗用車は勿論、軽四も四駆も通行不能でした。
今回の豪雨は、この比ではありません。
未だ,雨が続く模様で予断は許されないのです。
川上村提供 朝日新聞より
写真に見える建物は村役場、森林組合などの村の中枢部。
村の中心を通る国道が通行止めのため、現在は他の場所に仮設移動の由。
「水」は人間にとって最も重要な物質ですが、同時に最も危険な存在である事を、
再認識させられました。東日本大震災に於いても同様です。
皮肉な事に今、最も必要とされている物が又、「水」なのです。
神戸でも阪神淡路大震災の折、一番必要とされた物は電気やガスより「水」でした。
2011年9月4日
吉野杉のミカン割り
2011年9月3日
2011年9月1日
酒樽屋のお八つ 其の參拾陸 タマリンド
九月、長月になりました。
写真は東南アジア(主にタイ)やカリブ海(主にジャマイカ)で大変普及しているお菓子です。
たいそう美味しいのに何故か日本では、余り見る機会がありません。
唯一、香辛料としてインド料理用などにペースト状で輸入されているだけのようです。
この お菓子は枝豆の兄貴分のようなタマリンド豆を甘く炊いて、
アプリコットパウダーをまぶしたものです。
見かけは美味しそうではありませんし、
問題は中から出て来る種が、まるで石のように固いのです。(手前の黒い粒)
下手をすると歯を折るくらいの固さなので、
神経質な日本人向きではありません。これが原因で輸入しないのでしょうか。
実際に食べた時も何故、石が混入しているのかなと不審に思った程なのです。
酒樽屋 吉野へ杉を買いに行く
酒樽屋は酒樽ばかり作っている訳ではありません。
菰(こも)ばかり巻いているという状態は緊急事態だったからだけです。
普段は定期的に奈良県南部の吉野地方へ出かけます。
底にも蓋にも化学的接着剤を使わず、全ての材料を吉野杉で作っている樽屋竹十では、
常に良質の材料を定期的に確保するため、吉野地方の中でも酒樽に最適な杉を植林している、
川上村とその加工作業をしている麓の
吉野町上市へ、しばしば出かけます。
日本で一番、雨が多い山岳地域だからか神戸と比べて涼しいと感じた事はありません。
それでも昔に比べると道路も良くなって、気軽に日帰り出来るようになりました。
下の写真は見事に人口植林された吉野杉です。
これから何十年先が楽しみです。
普段から工場内はスギダラケ、杉に囲まれて仕事をしていますが、
さすが現地の杉林に出かけると本物の森林浴。
明らかに気持ちがリフレッシュして帰ってまいります。
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