2011年2月14日
結婚式の鏡開きに酒樽(さかだる)を使う
三連休の最後の祝日が大安。
こんなに綺麗に揃う事は一年に何度もないでしょう。厳冬の時期なれど快晴。
婚礼には最適の日和でした。
写真のお客さまは弊店の過去の日誌を見付けられて、同じようにして欲しいという依頼。
当然、酒樽の鏡開きをする日程は早くから判っている訳ですから、
御注文は今年の始めでした。
木槌、竹杓、杉桝に加え、更に和紙に「壽」、
そして専門の方にお願いして新郎新婦のお名前と記念日を墨書き致しました。
結婚式や各イベントでの鏡開きに酒樽をお使いになる場合は、
期日が一日遅れては意味が無いどころか、大変なご迷惑をおかけするので緊張します。
鏡開き用の樽酒は予定より少し早めにお送りします。
2011年2月7日
味噌樽(みそだる)の修理
樽屋竹十は樽(タル)の製造と販売だけではなく、その後の修理も積極的に行っております。
正しい使い方をすれば、修理せずに何十年の使用に耐えられるように作っているのですが、
右の味噌樽(たる)の場合、味噌つくりに使わず、「杉バケツ」として水を容れたり、
空にしたりして、屋外に放置していたため、相当傷んでおりました。
直射日光と風、過剰な水分に樽(たる)は弱いので、箍(たが)が完全に腐っていました。
左は、これと同じ状態だった物を補修して、竹箍(たが)を全て替えた物です。
お客さまの好みで、外の杉は古色のままでという依頼だったので新品同様にはしませんでした。
因みに写真は「杉バケツ」ですけれど、基本的に「味噌樽(たる)」とほぼ同じ寸法です。
吉野杉に限らず杉は乾燥し易いのですけれど、同時に膨張し易い訳ですから、
もう無理だと思われる樽(たる)でも殆どの物を修理することが出来ますし、
積極的に他店の商品の修理も請け負っております。
ただし一部、木工用の化学的接着剤を使用したり、
金属釘を多用した樽(たる)や桶(おけ)は修理が不可能な場合があります。
2011年2月5日
木製樽(たる)屋の「立春吉日」
2011年2月4日
和樽(わだる)に於ける、漬物樽(つけものだる)と味噌樽(みそだる)の違い
本日は節分であります。
豆を撒く日なのですが、撒かずに木製樽を使って味噌を作る時期でもあるのです。
これは一斗(18リットル)の漬物樽です。34型とも呼んでおります。
高さが34センチ(一尺一寸)あるからです。
厚さ2センチもある吉野杉の落し蓋(ふた)が一枚付属します。
この漬物樽(つけものだる)を利用して味噌(みそ)をつくる事も可能です。
ただし、本当の味噌樽(みそだる)と比べると出来上りの味噌(みそ)は若干劣るようです。
それでも、同じ吉野杉を使用して、化学的な接着剤は一切使っていませんから、
琺瑯(ほうろう)、陶器のかめ、プラスチックの容器類と比べると遥かに美味しい味噌(みそ)が出来ます。
��上蓋が必要な場合は一斗の場合、別途2、100円追加になります)
これも本体同様、接着剤は一切使用していません。
通常、漬物は新鮮な空気を樽(たる)に入れ、過剰な水分を外に出さねばならない上に、
常に糠等の場合は撹拌の必要があるので、上の開口部を大きく作っています。
こちらは純正の「味噌樽(みそだる)」です。
漬物樽(つけものだる)と正反対に、出来る限り空気を入れないように、
上の部分を小さく、全体を細長く作ります。
これには必ず落し蓋(ふた)と上蓋(ふた)の二枚が付属します。
蓋(ふた)は必ず厚さ2センチ以上の板目の厚い物を使用します。
柾目の蓋(ふた)は長い間に歪んで来るので漬物や味噌には向いておりません。
勿論、樽(たる)本体も必ず板目でなければなりません。
味噌樽(みそだる)は本来、桶屋さんが作る物でした。
残念ながら、かつては町内に一軒と言っていい程の割合で桶屋さんがあったのですが、
需要が激減していった事もあり、後継者の育成が出来ず、今や全国で数軒。
樽屋も10軒前後が残っているだけです。
樽屋の場合は「酒樽」という、清酒と密接な関係にある商品を毎日作っている御蔭で存続が可能なのです。
なお、味噌樽(みそだる)にせよ漬物樽(つけものだる)にせよ、
落し蓋(ふた)が底に到る程小さい事はあり得ません。
必ず最後の味噌なり野菜が残っている訳ですから、
途中で引っ掛かる程度の径でないと良い押し蓋(ふた)とは言えません。
最初に沢山作った時に隙間が少ない方が良い押し蓋(ふた)です。
向こう側に見えている小さい物は「漬物樽(つけものだる)の小です。
豆を撒く日なのですが、撒かずに木製樽を使って味噌を作る時期でもあるのです。
これは一斗(18リットル)の漬物樽です。34型とも呼んでおります。
高さが34センチ(一尺一寸)あるからです。
厚さ2センチもある吉野杉の落し蓋(ふた)が一枚付属します。
この漬物樽(つけものだる)を利用して味噌(みそ)をつくる事も可能です。
ただし、本当の味噌樽(みそだる)と比べると出来上りの味噌(みそ)は若干劣るようです。
それでも、同じ吉野杉を使用して、化学的な接着剤は一切使っていませんから、
琺瑯(ほうろう)、陶器のかめ、プラスチックの容器類と比べると遥かに美味しい味噌(みそ)が出来ます。
��上蓋が必要な場合は一斗の場合、別途2、100円追加になります)
これも本体同様、接着剤は一切使用していません。
通常、漬物は新鮮な空気を樽(たる)に入れ、過剰な水分を外に出さねばならない上に、
常に糠等の場合は撹拌の必要があるので、上の開口部を大きく作っています。
こちらは純正の「味噌樽(みそだる)」です。
漬物樽(つけものだる)と正反対に、出来る限り空気を入れないように、
上の部分を小さく、全体を細長く作ります。
これには必ず落し蓋(ふた)と上蓋(ふた)の二枚が付属します。
蓋(ふた)は必ず厚さ2センチ以上の板目の厚い物を使用します。
柾目の蓋(ふた)は長い間に歪んで来るので漬物や味噌には向いておりません。
勿論、樽(たる)本体も必ず板目でなければなりません。
味噌樽(みそだる)は本来、桶屋さんが作る物でした。
残念ながら、かつては町内に一軒と言っていい程の割合で桶屋さんがあったのですが、
需要が激減していった事もあり、後継者の育成が出来ず、今や全国で数軒。
樽屋も10軒前後が残っているだけです。
樽屋の場合は「酒樽」という、清酒と密接な関係にある商品を毎日作っている御蔭で存続が可能なのです。
なお、味噌樽(みそだる)にせよ漬物樽(つけものだる)にせよ、
落し蓋(ふた)が底に到る程小さい事はあり得ません。
必ず最後の味噌なり野菜が残っている訳ですから、
途中で引っ掛かる程度の径でないと良い押し蓋(ふた)とは言えません。
最初に沢山作った時に隙間が少ない方が良い押し蓋(ふた)です。
向こう側に見えている小さい物は「漬物樽(つけものだる)の小です。
2011年2月2日
酒樽屋(さかだるや)と古本屋(ふるほんや)
寒くて当然なのですが、今年の冬は尋常ではありませんね。
神戸という海浜都市といえど、今年の寒さは他の北国と変わらないようです。
むしろ山と海に挟まれた傾斜の強い街ですから、
「六甲おろし」と「浜風」が四六時中吹いていて、
体感温度は実温度より5度位は低いのです。
ただ、この風土が酒造りに欠かせないもので、
樽づくりにも、この寒さと薄暗さが不可欠なのです。
陽当たりが良く、明るい場所では樽(たる)が乾燥し易いので、
古書店が背文字が焼けないように北向きに建っているのと同じように、
大抵の酒樽屋(さかだるや)は北向きで、中の人間には決して良い環境とは言えませんが、
主役は酒樽(さかだる)なのですから仕方がありません。
写真は南側の建物が解体されたので、約50年ぶりに姿を見せた酒樽屋の裏側。
建物の下部に窓が並んでいます。
ここに樽職人が並んで、一枚の窓の下にひとつの「みせ」という作業場があったのですけれど、
実は、元来この窓は酒造りの際に空気と光の出し入れを加減するために設けられた、
弁の様なものだと後に知りました。
この建物は昭和30年代の区画整理の折りに建てられた比較的新しいものです。
右側に江戸時代の蔵が四棟並んでいましたが、残念ながら先の震災で失いました。
吉野から来る酒樽(さかだる)用の杉の原木を製材し、
「オオバイ」という形で乾燥させるためには、この前に見える砂地が丁度良い空間でした。
今は建売住宅が並んでしまい、二度と見る事の出来ない風景です。
昭和初期に時代を戻せば更にその前は、すぐ海です。
「昔の御影」より
酒樽屋(さかだるや)が作る味噌(みそ)樽(たる)を全国に出荷
二月如月であります。
味噌つくりの季節まっただ中なのです。
毎日、味噌樽(みそだる)ばかりを発送しております。
中に漬物樽(つけものだる)も見えますが、
上蓋(うわふた)を加え、味噌樽(たる)に転用しているものです。
味噌を出来るだけ空気に触れないようにじっくり醗酵させるため、
味噌樽(みそだる)は細長い形をしており、
逆に漬物樽(つけものだる)は常に新鮮な空気を入れるために口を大きく作ります。
細長い形の樽(たる)は「桶(おけ)」の手法に近づくために一日に作る数も限られます。
どうしても価格も違っておりましたが、
漬物樽(つけものだる)も落とし蓋(ふた)を含めて、吉野杉(すぎ)のみを使い、
接着剤を一切使用せず、竹釘接ぎに変更したので、品質は良くなりましたが、
残念ながら価格を改訂しなければならないかも知れません。
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