「たるや竹十」が酒樽を納めている神戸酒心館の酒蔵周辺も桜が満開間近になりました。
めでたい時に酒樽。
祝い事にも酒樽。
そして、花愛でる折にも、
これを鏡開きして場を盛り上げたものです。
昔はこんな口上を述べてから、鏡開き(鏡割りとも言う)をいたしました。
鏡開口上
東西東西、只今より**様の**を祝し鏡開きを行わせて頂きます。
そもそも鏡開きの御(おん)儀式は三百有余年の昔、
徳川四代将軍家綱が戦(いくさ)に備え、諸大名一門郎党を千代田の城に参集せしめ、
先祖の具足甲冑(ぐそくかっちゅう)の御前で、お鏡を飾って出陣の舞を舞い祝宴を致しました。
これが鏡開きの始まりでございます。
この目出度き御(おん)儀式を本日の**に際し、取り行うことは**様の門出を
一層華やかにするものと存じます。
��*様によりまして首尾良く鏡が開きましたなら拍手喝采の程御願い奉ります。
平成**年*月*日
この口上、最近は、聞かれなくなりましたが、若い人たちが気楽に鏡開きをしてくれる傾向になってきたことは嬉しいことです。
酒樽屋としては、せっかく丹精こめて作った酒樽を菰(コモ)というもので包み隠してしまって、樽が見えなくなっては、まことに残念。
最近では、菰を巻かず、端正な杉と竹の美しさを楽しんでくださる方が増えてきました。
裸の酒樽で、鏡開きをしていただくと木の香も宴を盛り上げます。
桜花 さける山路や 遠からむ 過ぎがてにのみ 春のくれぬる 実朝
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