鏡開き用の
酒樽(さかだる)を作るには、
吉野杉以外に
真竹を割って節を削った
「輪竹」が必要になります。
これが大変難しい作業なのです。
竹林は日本中に過剰な程あり、その管理費用が捻出出来ない状況下、荒れるにまかせております。
そんな訳で材料の確保には不自由しませんけれど、
切り出して麓まで降ろし、神戸市内までの運搬に最も手間がかかります。
麓の竹から先に伐採すれば簡単なのですが、竹林の真ん中から切らないと山は枯れてしまいます。杉山も同じ問題をかかえております。
昔は酒樽(さかだる)用の竹は京都の右京区から大山崎付近の物を使用して来ましたが、
戦後は、もっぱら山田錦と同じ六甲山の裏側から伐採して来ます。
輪竹が無い事には
箍(たが)が組めませんから、樽(たる)を作る事が出来ないのです。
更に大変困るのが、大量に出る竹の削り屑や竹株の処理です。
上の写真は竹を削った時に出る「竹の身」、これがやっかい者なのです。
現在は自分の敷地内でも裸火は
違法なので、燃やす事は厳禁です。
この白い部分は、
ある物の材料になるのですけれど、未だ開発途上。
竹の先の部分は
箒(ほうき)屋さんが、その柄の材料に買ってくれた時代がありました。
今はプラスチックの柄の付いた外国産がたくさん輸入されて、
箒(ほうき)屋さん自体、殆ど見かけません。
その後、
竹馬(たけうま)の材料として各小学校が買って下さいました。
これも、子供達には危険な遊戯器具と見られて禁止され、
今では、農作物の支え棒として近所の農家へ届けられています。
細かい竹の粉は肥料として利用されております。
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