酒樽(さかだる)にしろ桶(おけ)にしろ、木製の物を作る時には必ず大鋸屑(おがくず)、鉋屑(かんなくず)が出来ます。
文字通り「おがくず」とは大きなノコギリで材木を挽いた後の「挽き粉」の意味です。
「おが」は大きなノコギリ、「が」は、
ガガガという鋸を挽く音が語源です。
杮(こけら)とも呼びます。
「こけら」とは、小さな木片を意味し、
「こけら落とし」とは、舞台が完成した時にそれを落とす初舞台を差す訳です。
ただ意外な事に、この「柿(こけら)」と果物の柿(かき)は全く別の漢字なのです。
「柿(かき)」の右側の「つくり」は、なべぶたに巾、
「杮(こけら)」の旁の縦棒は一本で書かれています。
こちらのサイトで動画付きで詳細を解説して下さっています。
但し、逆の説もあり、真相は定かではありません。
樽屋(たるや)では、これらを「ばんば」と呼びます。
正確には「ばんば屑」でしょうが、「ばんば」の語源は不明です。
この「ばんば」を釜で燃やす事が樽屋の丁稚の仕事でしたが、
今では「入浴剤」「脱臭材」あるいは「「着火剤」など、意外な用途に使われます。
最後には友人のイタリア料理店、P氏の窯の中で燃えてピザになります。
すなわち、木製樽の材料である杉と竹は一切無駄の出ない環境に優しい素材である訳です。
実家が元樽丸屋(桜井)だったツボです。
返信削除残業中に疲れたのでちょっと見学。最近ちょくちょく樽や日記を見ています。
なるほどパソコンでオガクズと打ち込んでみると大きなノコギリの大鋸屑に変換されました。
しらなかった。杮と柿も覚えておこう。こんど飲み会でウンチク言ってみよう。
ちなみに樽丸屋ではセン屑がいっぱいでした。
子供の頃、職人さんたちのセンで勝手にちょっと木を削ったら、翌日、切れ味の違いに「だれじゃ!つかったやつ!!」
とばれてしまい・・さらに親父にセンの柄で頭殴られ、死ぬかと思いました。ほんのちょっと木を削っただけなのに・・・
しかしセンって道具はしっていますが、なぜセンっていうのですか?もう親父もいないので聞けません。
知っていたら教えてください。
またオワリした後のコワの部分(たしかコワっていっていたと思いますが)・・・原木の外周の白い部分・・・
昔は箸屋さんとか取りに来ていたはずですが、もう箸屋さんも少なくなって、使い道は
無くなってしまっているのでしょうか。
今流行のエコではないですが、やっぱり杉の割り箸はいい!
樽屋の十二月は、睡眠時間一日2〜3時間という日が続き、コメントを見落としておりました。
返信削除「せん」は「銑」と書きます。西鶴の「樽屋おせん」は、ここから来ていると思いますが、
国文学者は誰も気が付いていないようです。
西鶴研究の第一人者に「森銑三」という方がいますが、これは偶然でしょうね。
実は「銑」と書くことに最近ちょっと不安を抱いております。
また、「こわ」は「木皮」と書き、一番に四国の桶屋さんへ、二番目に箸屋さんに行き、
最後に樽の蓋に使います。
箸に使う「木皮」は徳別に「箸木皮」と呼んでいましたから、最上なのかも知れません。
全部、奈良県の下市町に運んだ筈です。
木皮を箸に使う事は「エコ」の最たるものなのに、森林乱伐と勘違いした人達がヒステリックになり、
下市町周辺の箸産業が衰退してしまいました。
中国の森林が大変なことになって、もう輸入出来なくなるかも知れないといいます。
今頃、気が付いても下市町の箸を復活させる事は無理なのです。
何を食べる時も杉の箸の方が中国製の漂白箸より美味しいのですよ。
眠いので詳しい事は、後日ブログにUPします。