2009年5月23日

酒樽(タル)屋がつくる不思議な樽(タル)、阿波踊り用

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二つとない、不思議な樽(タル)です。
他の樽(タル)屋さんが見たら、きっと笑うことでしょう。

「たるや竹十」は基本的に全ての商品がオーダーメイドですから、
胴輪を所定の位置ではなく、上の方に入れて欲しいという依頼だったので、言われるままに入れたのですけれど、
どうも巧く出来ないので、二本も入れたら、こんな不思議な樽(タル)が出来上がりました。
これはこれで、面白いものです。どこにも売っていない樽(タル)です。
阿波踊りの際に腰に付けて使うもので、専用の金具に合わせるため、
こんな風に改造する事になったのです。

同時に見せてもらった阿波踊り専用道具店が作った太鼓は、桶屋さんが作った物ですから、
仕事は丁寧なのですが、繊細過ぎて阿波踊りのパワーに付いて行けそうもない美品でした。
柾目の桶は、どう考えても阿波踊りの樽太鼓には向いていないと思います。
それに天板になる蓋(フタ)を南洋材に替えているので、周囲の杉との相性が悪く、
全く音が出ません。
外材と内地材では乾燥の仕方が違うので、同じ物に異質な材料を使わない方が良いのです。
阿波踊りに関しては、軽さも要求される事ですから、樽屋にとっては今後の課題です。

写真の右側に見えているのは一斗の漬物樽(タル)。
四斗酒樽(タル)の上に乗っています。

桶(オケ)屋さんは、もっと様々な種類の物をこしらえる事が出来ますが、
樽(タル)屋は高さが一尺八寸まで、直径は五寸まで等の制限はあるものの、
毎日、限界に挑戦しております。

最近、特に多くなって来ましたが、不思議な注文をもらうと、
俄然、はりきってしまいます。

今年も阿波踊りや八木節など夏祭りに使う樽(タル)太鼓の練習の時期になって来ました。

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