唐の詩人李太白は酒好きで有名なことは夙に知られておりますが、当然、その詩にも「樽」が頻繁に登場します。
「樽」といっても千年以上前の話ですから、現在の酒樽とは根本的に違い、壷のようなものもあれば、時には山の木片を寄せ集めたものが登場したりして、形態は未だ統一されていません。
一斗という容量も現在の約18リットルよりも、遥かに少なかったと言います。
「李白一斗詩百篇」という有名な語がありますが、どうやら李白が呑んだのは10リットル(一升瓶五本強)ほどで、とんでもない量ではない訳です。
魯郡東石門送杜二甫
魯郡の東石門にて杜二甫を送る
醉別復幾日 別れに醉うこと 復(ま)た幾日ぞ
登臨偏池臺 登臨は 池臺に偏(あまね)し
何時石門路 何(いず)れも時にか 石門の路にて
重有
金樽開 重ねて金樽(きんそん)の開くこと有らん
秋波落泗水 秋波 泗水に落ち
海色明徂徠 海色 徂徠に 明るし
飛蓬各自遠 飛蓬(ひほう) 各自 遠し
且盡手中杯 且つは 盡くせ 手中の杯
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