2013年11月24日

樽(たる)作りは道具作りからはじまる

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何でも、物づくりは道具づくりからはじまります。
和樽(たる)をつくる道具は総じて樫等の堅い木を使うのですが、あると重宝するのが鉄の「玄能」です。
正式には「玄翁」と書き、「玉藻前伝説」に由来します。

狐が化けて鳥羽上皇の寵愛を一身に受けていたところ、某陰陽師にその姿を見破られ、今度は堅い石に変身して身を守ろうとし誰も手が出せなく困っていた時に曹洞宗の和尚、玄翁さんが現れ大きな槌で石を砕いたという伝説。

ところで現代では「玄翁」どころか金槌を使う大工さんが激減。
どこに行っても売っていないので新調しました。(先日来たMAC TOOLSの車の中はプラスチックの反動ハンマーしかなかった、あとは鉄ハンマー、訳せば「玄能」)
この世界も奥深く「ヒシ貫」こと長谷川重郷作、「丸増」こと相田浩樹作など在銘の高級品がずらり。
それでも気に入った槌がなく特注!!!!!!!!

恥ずかしながら、今まで「玄能」は両方に打面がある槌だとしか知らなかったのですが、
片面は平面だけど、裏面は僅かに曲面が上がっていて締め打に使うとか。
和樽(たる)つくりに釘打は必要ないので(押し蓋の持ち手を除く)両方が平面の竹十用特製。

写真では一番上が量産品(若干軽いので小さい樽を作る時でも頼りない)比べると見るからに悪そうだけど、値段は安くないんです。柄の材も悪くクリアラッカー仕上げが致命的。
真ん中が長年愛用している使い具合の良い昔の玄能。ただ柄が折れたので短く応急処置中。
下が特注品、未だ柄は付けていない。見るからに良さそう。いい仕事が出来そうな気がする。


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