樽(たる)は必ず、高さが3種類。一尺一寸(約34センチ)、一尺五寸(約45センチ)、一尺八寸(約55センチ)と最初から、決まった物です。昔は醤油樽(たる)用に九寸(約27センチ)の極小の物もありましたが、当時は一番長い一尺八寸の材料を半分に切っていたようです。
九寸の材料は後日、別の酒樽のために大量の需要があり、常に不足ぎみです。
最近は店舗の
ディスプレイ樽(たる)、(展示用)のために、三尺(約1メートル)のものも、
作る事が出来るようになりました。
今回は設置場所のスペースの制限から高さや幅を、お客さまが決めて来られたので、仕方なく既製の材料を切断して製作しました。
何よりも困ったのは青い竹ではなく、古く退色した竹タガに限るという指定で、
このために倉庫の隅々まで探しましたが、数量が足りるかどうか少々不安です。
時代の傾向でしょうか。最近は古色仕上げの依頼が目立ちます。
古い材料も
「古材」として建築用としては入手が容易になりましたが、
樽用の古い材料は、そろそろ在庫が尽きそうです。
百年以上前の古い材料でも削るだけで簡単に新しくなりますけれど、
逆に新しい材料を古く見せるには様々な工夫を必要とします。
0 件のコメント:
コメントを投稿