これは樽(タル)用ではなく、桶(オケ)用です。
三尺桶の組輪です。
大きな方の直径が4尺6寸(約140センチ)、細い方で3尺6寸(約110センチ)もあります。
古い桶から輪替えのために外したので、色が褪せています。
一緒に写っている青くて小さい輪は6尺(約18センチ)輪ですから、醸造用の桶がいかに大きい物か判るでしょう。
更に大きな直径7尺6寸(約230センチ)程のものもありますし、手のひらに乗る程小さい桶には当然もっと径の小さい箍(タガ)が入ります。
そのような小型のものを「源氏もの」と呼びます。
いずれも樽屋ではなく、桶師の仕事です。
桶(オケ)では箍(タガ)の組み方が「組輪(くみわ)」と言う、酒だるには使わない複雑で幾分装飾的なものをしばしば使います。
樽(タル)の箍(タガ)より肉薄の竹を二本や三本を結っていく全く違った巻き方をします。
桶(オケ)の場合は本体自体で独立していて、もし箍(タガ)が外れても分解することはありませんから多少、飾りのような要素もありますけれど、樽(タル)の場合は肉厚の丈夫な箍(タガ)が本体を支えているので、箍(タガ)が外れると樽(タル)はバラバラになってしまいます。
風が吹いたら儲かるのは、実は桶屋ではなく、樽屋の筈なのですが、
ここのところ、風の強い日が続いているのに、樽屋が少しも儲からないのは何故でしょう。
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