2008年9月2日

蓋(ふた)が無ければ酒樽とは言えない

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これが、酒樽の蓋(ふた)。
底と蓋(ふた)に関しては材料が吉野杉でない場合が多いのです。
多くの場合、肥後杉や宮崎杉などの九州産杉材を使います。
理由は吉野材より、九州の杉の方が水分がにじみ出しにくい事と、九州の杉は香りが無いので木香が付きにくく、酒を詰めてから酒樽が長持ちし易い等々。
勿論、かつては酒樽と言えば底蓋も含めて全て吉野杉で作っておりました。
昭和50年頃から使い易い、値段も安いという理由から肥後杉による底と蓋(ふた)が席巻してまいりました。
これを使っている限り「吉野杉の酒樽」とは呼べないのです。

それだけでなく、量産のために木工用ボンドを底蓋の継ぎ接ぎ面に多用するようになり、
酒樽の質を落として来ました。
「たるや竹十」では樽太鼓以外の食品を入れる樽には写真のように昔ながらの竹釘接ぎを使うよう努めております。
アレルギーの方もいらっしゃるので、樽太鼓にも極力ボンドを使わないようにして、工房からケミカルな物質を一掃していく積もりです。
一枚の蓋(ふた)に何カ所も竹釘を使って、手間はかかるんですがより良い酒樽や漬物樽を作る事が出来ます。
酒樽作りにおいて、木工用に限らずボンドの類いを使用しても漏れが止まる事はありません。



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