2008年9月9日

結納の日に、床の間に酒樽が

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かつて、結納の日には必ず縁起物の「角樽(つのだる)」を持参したものです。
今回は、ある企画のカタログ制作に「角樽」が必要になり、「たるや竹十」に昔からあった、漆塗りの「角樽」を提供しました。
本来、対になっているもので、二つなければいけないのですが、いくら探しても一つしか見つかりませんでした。

但し、「角樽」とは「樽(たる)」という名前はついておりますが、これは桶師の仕事です。
また、樽に漆を塗る目的は意匠上、朱と黒に塗り分ける意味と強度を増す利点の二つがありますが、多くの場合、中身の樽の材料の悪さを隠す目的にも使われました。

本当に良質の樽や桶は生地のまま作り、材料の色目の美しさを楽しむものです。
酒樽(さかだる)に菰(こも)を巻いて中身の樽の品質の悪さを隠す行為に似ています。

残念ながら、最近目にする「角樽」は99%が人工樹脂製で、木樽(たる)ではありません。



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