酒だる屋は「酒だる」をつくる合間に「漬物だる」や「味噌だる」もつくります。
「漬物だる」は蓋が嵌め込まれていないので、「酒だる」よりも制作が容易なように見えますが、実は蓋を組み込まないという事は入れるタガの強さや、周囲の樽材に鉋(かんな)をかける際の角度をより正確にしておかないと、変形した漬物だるや味噌だるが出来上がってしまいます。
箍(タガ)は強ければ良いというものではないのです。
「漬物だる」は「酒だる」よりも、ある意味では高度な技術を要します。
もう一点、「酒だる」は一度きりの輸送容器ですが、「漬物だる」は数十年使用する貯蔵容器ですから、材料も厳選しなければなりません。
尚、「漬物だる」を使う場合に漬物石を使うための「押し蓋(おしぶた)」又の名を「中蓋(なかぶた)を使う場合と蓋(ふた)は一切使わない二種の方法があり、
また最近は衛生上、ほこりや虫が糠(ぬか)に入らないように「上蓋(うわぶた)」を使う傾向があります。(写真は上蓋・うわぶた)
「漬物だる」には必ず蓋が一枚付いていますので、どちらかを選ぶことができます。
更に、この上を和紙でくるんで密封しつつ、空気の流通を良くしたりもします。
ラップ等のビニール類は糠(ぬか)が窒息するので、絶対に使わないで下さい。
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