2009年6月1日

酒樽屋の休日 枇杷を愛でる

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今年も、「枇杷(びわ)」の季節になりました。
この過ごし易い時期は樽(タル)屋の仕事が比較的減り、たまっている雑用を片付けます。

日曜ですが、某蔵元に呼び出されて、夏に企画されているイベントの打ち合わせでした。
庭の灯籠から、枇杷(びわ)の実がのぞいております。

昔は、どの家庭の前庭にも枇杷の木があって、子供の頃に友達と木に登って無断で食べて、
よく叱られたものです。

枇杷(びわ)Erriobotrya Japonicaは文献上は奈良時代にも見えますが、本格的に中国から渡来したのは、
樽(タル)の技術が確立した数十年後の天保年間ですから比較的新しいものです。

殆ど、果実を食べますが、今年は冬が長かったので関西では未だ早いようです。
そのまま食べる他に果実酒にしたり、葉は薬用になります。
材は大変硬いので、杖や木刀に使います。
樽(タル)には使えません。

「桃栗三年柿八年」は人口に膾炙しておりますが、その後に「枇杷は早くて十三年」と、
続く事は余り知られていないようです。

樽(タル)屋の近所に琵琶町という町がありますけれど、
琵琶はもっと古くイスラム圏から渡来した、弦楽器です。

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