しっかり作った樽太鼓(タルたいこ)も、元気よく叩くものですから、
どうしても、蓋(フタ)の表面がささくれ立って来ます。
こうなると、音も悪くなって来ているので、新品の蓋(フタ)と交換しなければなりません。
予算の関係から、御依頼主の要望で蓋(フタ)を裏返して使う事もあります。
畳の裏替えの様なものですが、余りに使い込んでいる蓋(フタ)は板が薄くなっていて、
長持ちしませんから、おすすめできません。
この程度の傷み方ですと、交換の必要はありませんが今回は箍(たが)が外れてしまいました。
この作業は簡単そうに思われがちですが、案外手間取るものでして、
全ての箍(タガ)をいったん全部はずさねば、蓋(フタ)を入れる事が出来ないのです。
その上、箍(たが)が数本切れていたり、ゆるんでいることが殆どなので、
たいてい、蓋(ふた)だけではなく、箍(たが)も総替えになります。
古い箍(たが)は硬化していて、径を変える作業が不可能なのです。
樽太鼓の修理に関しては大小を問わず、新品の約半額で請け負っておりますが、
樽屋にとっては正直なところ新たに作る方が楽なのです。
遠い地域の方々は往復の運賃も加算される訳ですけれど、
折角つくった樽太鼓は出来るだけ修理しつながら愛情を持って長く使って頂きたいものですし、
アフターサーヴィスのひとつと考え、採算を度外視して、お引き受けしております。
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