2008年9月17日

吉野杉の酒樽には杉枡(ます)

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今度は、四斗の酒樽では大きいので一斗の酒樽です。
これは鏡開きせず、下の呑み口から酒を出すタイプです。

左の段ボールに入っているの物は、この酒樽のために特別に作った杉枡(ます)です。
片面には依頼主の名前が、裏側には蔵元の名前が入っております。
限定100個なので、肝心の酒樽より枡の方が高価な物になってしまいました。




2008年9月15日

酒樽屋 限定一部の酒だるを作る

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酒樽屋の近所に「一笑瓶」(いっしょうびん)という名の立ち飲み屋さんが開店、オープニングに鏡開きをしたいというので、「酒だる」を用意しました。
樽が見える裸にしましょうと提案したのですが、二斗だるの一斗入りを御希望。
仕方なく、下半分が発砲スチロールの「ハンダルセット」にしました。
当然、菰(こも)に字を書かねばなりません。
赤と黒の変わった菰樽が出来上がりました。

神戸市灘区稗原町1丁目5−1 シャリエ六甲道1F
16:00~23:00 定休日 日曜日
078-841-5959

2008年9月14日

四斗酒だるの鏡開き

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「鏡開き」といえば、やはり四斗の酒だるです。
とは言え、四斗は一升瓶で40本ですから、そう簡単に空には出来ません。
そこで、上げ底が主流になります。
写真の酒だるは四斗の形をした二斗だるで、「鏡開き」が容易に出来るように
蓋(ふた)を予め開けてあるタイプです。

ところで、鏡開きに使う枡(ます)は必ず杉製を使いましょう。
「酒だる」は杉で出来ている訳ですから、桧(ヒノキ)の枡(ます)等を使うと樽酒の味がしなくなってしまいます。

2008年9月13日

酒樽屋がつくる樽太鼓

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酒樽屋は酒樽(さかだる)ばかり作っている訳ではありません。樽太鼓も作ります。
学校の音楽祭、祭りの連、店舗設計のディスプレイと樽太鼓の用途は沢山あります。
樽太鼓は酒樽と違って酒を入れる訳ではないので、竹の箍(たが)を可能な限り強く締めます。
そうする事によって樽太鼓としての第一条件としての高音を得ることが出来る上に使わない時も乾燥しにくく長持ちします。

2008年9月12日

酒だる屋がつくる漬物だる

DSC06853.JPG 錦高倉屋

専門の漬物屋さんに於ける漬物だるの使用例です。
両端の二丁の漬物だるは四斗だるですが、真ん中の背の低いものは酒だるの中の「ハンダルセット」と称す、上半分の物を再利用しています。
仕事柄、工房内の湿気が高く、更に水の使用量も多いので、どうしてもタガの伊丹が一般家庭より早くなっています。

押しぶたを使う場合、その上に漬物石を置く場合、蓋(ふた)を一切使わない場合など、使用用途によって、さまざまです。
共通する点は専門家は(上蓋うわぶた)は使わないという点です。

2008年9月11日

酒樽屋のお八つ 其の貳拾壱

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蕎麦板であります。
お店では「せいろ」も食べることが出来ます。

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本家 尾張屋
京都市中京区車屋町通二条南仁王突抜町322
075-231-3446





酒樽屋がつくる「漬物だる」や「味噌だる」

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酒だる屋は「酒だる」をつくる合間に「漬物だる」や「味噌だる」もつくります。
「漬物だる」は蓋が嵌め込まれていないので、「酒だる」よりも制作が容易なように見えますが、実は蓋を組み込まないという事は入れるタガの強さや、周囲の樽材に鉋(かんな)をかける際の角度をより正確にしておかないと、変形した漬物だるや味噌だるが出来上がってしまいます。
箍(タガ)は強ければ良いというものではないのです。

「漬物だる」は「酒だる」よりも、ある意味では高度な技術を要します。

もう一点、「酒だる」は一度きりの輸送容器ですが、「漬物だる」は数十年使用する貯蔵容器ですから、材料も厳選しなければなりません。

尚、「漬物だる」を使う場合に漬物石を使うための「押し蓋(おしぶた)」又の名を「中蓋(なかぶた)を使う場合と蓋(ふた)は一切使わない二種の方法があり、
また最近は衛生上、ほこりや虫が糠(ぬか)に入らないように「上蓋(うわぶた)」を使う傾向があります。(写真は上蓋・うわぶた)

「漬物だる」には必ず蓋が一枚付いていますので、どちらかを選ぶことができます。

更に、この上を和紙でくるんで密封しつつ、空気の流通を良くしたりもします。
ラップ等のビニール類は糠(ぬか)が窒息するので、絶対に使わないで下さい。




2008年9月9日

酒樽屋の自転車道 1 酒屋の運搬用自転車

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安売の量販店がいくら増えても、町の酒屋さんや米屋さんは元気です。
フットワークのいい酒屋さんほど、配達に自転車を使っています。
その自転車、ただ者ではありません。
いわゆる「氷屋の自転車」と呼ばれていた車重が百キロ近くもして、小さなバイクより重く、
なおかつ、頑丈で自転車の王様です。
タイアも最も太いものを履いております。

なにしろ、載せる商品も数十キロですから、安価な量産自転車では壊れてしまいます。
頑丈ですから概して年代物が多く、珍品もよく見かけます。
外観からは想像出来ないくらい高価なもので、当然何十年の使用にも耐えられ、今も生き残っている訳です。

現在でも、新車を手に入れる事が出来ます。
車検はないし、税金もかからないし、酒屋さん自身の運動不足解消にもなり、ガソリンの値段がいくら上がっても関係ないし、
駐車違反の心配も少ない(法的には自転車も駐車違反の対象になります。)ので、
良い事だらけです。
真夏と,真冬、それに雨の日は若干苦痛。

それに自動車のように保険が未だ整備されておりません。唯一、盗難保険だけですが、この種の自転車を盗む人は少ないでしょう。

写真の自転車はベルをフォークに取り付けてワイヤーで駆動しハンドル部分で操作するという理解出来ない機種です。(今は故障)
ハンドルに直接ベルを付ければいいと思うのですが、当時の自転車屋さんの遊び心でしょう。

こんな自転車の後ろの荷台に80キロもする四斗酒樽(さかだる)を積んで町を走っていた良き時代もありました。

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サドルの後に見える長い鉄枠は背もたれ兼荷物固定具。
 



結納の日に、床の間に酒樽が

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かつて、結納の日には必ず縁起物の「角樽(つのだる)」を持参したものです。
今回は、ある企画のカタログ制作に「角樽」が必要になり、「たるや竹十」に昔からあった、漆塗りの「角樽」を提供しました。
本来、対になっているもので、二つなければいけないのですが、いくら探しても一つしか見つかりませんでした。

但し、「角樽」とは「樽(たる)」という名前はついておりますが、これは桶師の仕事です。
また、樽に漆を塗る目的は意匠上、朱と黒に塗り分ける意味と強度を増す利点の二つがありますが、多くの場合、中身の樽の材料の悪さを隠す目的にも使われました。

本当に良質の樽や桶は生地のまま作り、材料の色目の美しさを楽しむものです。
酒樽(さかだる)に菰(こも)を巻いて中身の樽の品質の悪さを隠す行為に似ています。

残念ながら、最近目にする「角樽」は99%が人工樹脂製で、木樽(たる)ではありません。



2008年9月4日

酒樽屋のお八つ 其の貳拾

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先日、横浜の叔母さんが奈良の吉野土産に「鮎菓子」を、これでもかと言う位 たくさん送ってくれました。
吉野は酒樽の材料である樽丸の原産地ですので親戚が沢山います。
ここの「鮎菓子」を作っている店の露地を挟んだ所に祖母の家があり、夏休みには
必ず、自転車にのって吉野まで行き、何日も泊まっておりました。
この店に十円玉を握りしめて「鮎菓子」を買いに通ったものです。

裏街道には鮎料理の老舗「弥助」があります。

それにしても、こんなに何匹もの「鮎菓子」を前にするのは初めてです。

鶴萬々堂 支店 
奈良県吉野郡下市町本町
0747-52-2473
磯田明隆



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こちらは同じ奈良県でも奈良市の某旅館の夕餉に出た本物の「鮎」

どちらも美味なり。

2008年9月2日

蓋(ふた)が無ければ酒樽とは言えない

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これが、酒樽の蓋(ふた)。
底と蓋(ふた)に関しては材料が吉野杉でない場合が多いのです。
多くの場合、肥後杉や宮崎杉などの九州産杉材を使います。
理由は吉野材より、九州の杉の方が水分がにじみ出しにくい事と、九州の杉は香りが無いので木香が付きにくく、酒を詰めてから酒樽が長持ちし易い等々。
勿論、かつては酒樽と言えば底蓋も含めて全て吉野杉で作っておりました。
昭和50年頃から使い易い、値段も安いという理由から肥後杉による底と蓋(ふた)が席巻してまいりました。
これを使っている限り「吉野杉の酒樽」とは呼べないのです。

それだけでなく、量産のために木工用ボンドを底蓋の継ぎ接ぎ面に多用するようになり、
酒樽の質を落として来ました。
「たるや竹十」では樽太鼓以外の食品を入れる樽には写真のように昔ながらの竹釘接ぎを使うよう努めております。
アレルギーの方もいらっしゃるので、樽太鼓にも極力ボンドを使わないようにして、工房からケミカルな物質を一掃していく積もりです。
一枚の蓋(ふた)に何カ所も竹釘を使って、手間はかかるんですがより良い酒樽や漬物樽を作る事が出来ます。
酒樽作りにおいて、木工用に限らずボンドの類いを使用しても漏れが止まる事はありません。



2008年8月31日

続 酒樽の鏡開き ハンダルセット又は半ダルセット 

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昨日の酒樽は、こんな風に「針」と「ばい」という木の棒を使って菰(こも)を巻いたのですが...............

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酒樽を作る立場としては、菰(こも)などを巻かずに酒樽の杉と竹の清々しさを見て頂きたいと、いつも感じています。
菰(こも)を巻いてしまうと,折角の酒樽の良さが隠れてしまいます。
菰巻とは、単なる輸送用の緩衝材でしかありません。

2008年8月30日

酒樽の鏡開き ハンダルセット又は半ダルセット

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酒樽の鏡開きは、簡単なように見えますが、大切なイベントの中心になる儀式なのに、
万一失敗したり、いくら叩いても蓋(ふた)が開かなかったりすると大変な事ですから、
多くの方はあらかじめ蓋(ふた)を外して、形だけの鏡開きを執り行ないます。
最近では殆どのホテルの係の方が、専門の酒樽屋が驚く程上手に蓋(ふた)を開いています。

更に、簡略化して蓋(ふた)のない酒樽の上に蓋(ふた)をのせて置き、現場で酒樽に
清酒を入れるという方法もあるのですが、絶対に失敗はありませんけれど清酒に木香が付きません。

写真の酒樽は「36ℓハンダルセット」といって下半分を発砲スチロールの台で上げ底にしたものです。当然72ℓもあります。
菰(こも)の隙間から白い発砲スチロールがのぞいているので、直ぐに見分けがつきます。

実は20数年前に伏見の某大手蔵元と樽屋竹十他が共同で開発したものなのです。
当時、他の樽屋の反撥に遭い、ひどい中傷を受け、軽蔑されたものですが、
数年後には手のひらを返したように全国から竹十に手法を教えて欲しいと懇願して、毎日よその職人達の竹十詣が続きました。
一時は「ハンダルセット」が主流の時代が長く続き、材料の供給が間に合わない程でした。
もし、当時「ハンダルセット」を開発していなかったら、良質の吉野杉が手に入らなくなってて、需要に応じきれなかった事でしょう。

今は「ハンダルセット」も清酒の消費量の激減もありますが、やはり本物が良いという
傾向に戻りつつあり、役目も一段落を終えたかなという印象です。

名前を決める時、「ハンダル」とは二斗酒樽(36ℓ)の別称「半樽」と紛らわしいので猛反対したのですが、他に適当な名も思いつかず、蔵元の意見に押し切られました。

当然、必ず菰(こも)を巻かねばなりませんので、裸に出来ない事、用済みの樽が再利用不能という点が弱点です。
酒樽屋としては、やはり昔ながらの全部、吉野杉を使って酒樽を作りたいのが本音です。

当時、別の大手蔵元数社は、この大きな流れを無視して価格が高いにも関わらず全部が吉野杉出来た酒樽を使い続け、今に至っております。


この酒樽は菰をあらかじめ中に巻き込んで鏡開きをし易くしています。

また、「赤紙」は昔の名残で、呑み口の場所をわかり易く示している訳です。
この酒樽には絶対に呑み口がない訳ですから、単に赤い飾りでしかありません。
本式の巻き方ですと蓋(ふた)の部分にも、もう一カ所「赤紙」を巻きます。

2008年8月29日

酒樽屋のお八つ 其の拾玖あるいは 眼球譚

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残夏の汗仕事のあとには丁度いい「水まんじゅう」です。
涼しくて美味なのですが、二つ並べると目玉に見えるのはわたくしだけでしょうか。

生田耕作氏が「眼球譚」を翻訳した時、タイトルを決めかねて仮に「目玉」としていたことが
ガリマール版全集の一冊に挿入されていたメモを読んで最近知りました。
後者を表題にした、おふざけ新訳が出た時、何かと話題になったのは記憶に新しいところです。
因に生田氏はジュネの「葬儀」にはもっと思案したのでしょう、「ジュネ」とだけ記されておりました。


京涼風果匠 「若菜屋」

京都市上京区千本通丸太町下ル東入主税町1129
075-811-7943

14275553.pjpeg.jpeg こちらは只今人気の「目玉おやじカメラ」30万画素ですけれど、フラシュメモリーにも使えます。
水木しげるさんは「眼球譚」を読んでいたのかな?

2008年8月28日

酒樽屋の道具 其の陸

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昨日、紹介しましたスコットランドのモルト樽の蓋(ふた)が何故,何枚も保管されているのかといいますと、これらは樫で出来ておりますから、まことに硬く、酒樽作りの道具を拵えるのには、これほど相応しいものはないのです。
電動丸鋸で切断する時、鉄を切る時のように煙を出して断面は完全に焦げている程です。

写真は酒樽の箍(たが)を木槌で締める時に左手に持つ「締め木」
酒樽の大きさに応じて大小のものを揃えておきます。
鏡開きの際にも使うので、蔵元の営業の方々は必ず持っていたものでした。

ものづくりは先ず道具作りからはじまるのです。