2010年12月13日

酒樽(さかだる)を作るために竹を削る

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鏡開き用の酒樽(さかだる)を作るには、吉野杉以外に真竹を割って節を削った「輪竹」が必要になります。
これが大変難しい作業なのです。
竹林は日本中に過剰な程あり、その管理費用が捻出出来ない状況下、荒れるにまかせております。
そんな訳で材料の確保には不自由しませんけれど、
切り出して麓まで降ろし、神戸市内までの運搬に最も手間がかかります。
麓の竹から先に伐採すれば簡単なのですが、竹林の真ん中から切らないと山は枯れてしまいます。杉山も同じ問題をかかえております。

昔は酒樽(さかだる)用の竹は京都の右京区から大山崎付近の物を使用して来ましたが、
戦後は、もっぱら山田錦と同じ六甲山の裏側から伐採して来ます。
輪竹が無い事には箍(たが)が組めませんから、樽(たる)を作る事が出来ないのです。



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更に大変困るのが、大量に出る竹の削り屑や竹株の処理です。
上の写真は竹を削った時に出る「竹の身」、これがやっかい者なのです。
現在は自分の敷地内でも裸火は違法なので、燃やす事は厳禁です。
この白い部分は、ある物の材料になるのですけれど、未だ開発途上。

竹の先の部分は箒(ほうき)屋さんが、その柄の材料に買ってくれた時代がありました。
今はプラスチックの柄の付いた外国産がたくさん輸入されて、
箒(ほうき)屋さん自体、殆ど見かけません。
その後、竹馬(たけうま)の材料として各小学校が買って下さいました。
これも、子供達には危険な遊戯器具と見られて禁止され、
今では、農作物の支え棒として近所の農家へ届けられています。

細かい竹の粉は肥料として利用されております。

2010年12月12日

樽酒(たるざけ)用の酒米の収穫

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正月や大晦日の樽酒(たるざけ)鏡開きには間に合いませんが、
この冬に寒造りする酒のための米が収穫されて、
各蔵元へ続々と届いて来ました。
灘五郷では殆ど山田錦という特別の米を使います。
六甲山の裏側の方で丹念に育てられた清酒専用の米です。
写真の米は神戸市北区大沢(おおぞう)地区の西さんが育てた米です。



2010年12月11日

酒樽屋に来客続く

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師走も半ば近く酒樽屋(さかだるや)も酒樽(さかだる)つくりに、てんてこ舞いの毎日です。
酒樽(さかだる)が珍しいもでしょう。
毎日のように来客があります。
写真の左側の男性は台湾の方、隣はカナダの方で近所の大学に留学中の由。
この数時間前にも漬物樽を購入されに来られた方がいらっしゃって、
酒樽屋(さかだるや)は大忙しです。

樽屋竹十は基本的にオーダーメードの店ですので突然来店されても、
御希望の「樽(たる)」がある訳ではありません。
人気の一斗や二斗、あるいは五升の漬物樽が出荷用に数個あるだけです。
酒樽(さかだる)も完成直前の物はたくさんありますが、
最後の仕上げと洩れの検査は集荷直前に行います。

ご来店の節は前もって、お電話をお願いします。
��78−861−8717
午前8:00頃〜午後5:00頃まで。



2010年12月9日

大衆劇場から鏡開き用の酒樽(さかだる)御注文

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和歌山市の真ん中に紀の国ぶらくり劇場という劇場があります。
神戸にもこのような劇場「新開地劇場」があり、東京には木馬館が健在です。今では、こういう劇場は珍しくなってきました。
北に桶屋町、西に大工町という町名が残っており、かつては職人の町だったのでしょうが、
今では全くその面影はありません。
ここの支配人の方から年末に劇場で鏡開きをして振る舞い酒をしたい旨の依頼がありました。

昭和40年頃まで、人の集まる百貨店の前などでは必ず年始に鏡開きをして樽酒を振る舞ったものです。
最近、こういう昔の風習の良さが再認識されてきて、
鏡開き用の酒樽で樽酒という習わしが復活しつつあります。

年末年始の酒樽ご購入の予約が殺到しております。
予約は早めにお願いします。



2010年12月8日

酒樽屋の虫養ひ 其の拾肆 日牟禮庵の蕎麦

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日牟禮庵(ひむれあん)、手打ち蕎麦の味もさることながら、
ここの土蔵は国指定文化財だそうです。
近江商人の自宅だったという大正期の町家を改装していて、庭にも趣きあり。
蕎麦は「大盛り」を注文すれば良かった。

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日牟禮庵
電話 0748-33-2368
滋賀県近江八幡市西元町61
営業時間 11:00~14:30 17:00~19:00
定休日 月曜・第3火曜


2010年12月7日

五十年ぶりに醤油樽(たる)が復活

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昭和40年頃を境に醤油用の木製樽(たる)が完全に廃止になって、木函入の一升瓶。その後はペットボトルや紙パックに換わって行きました。
今では、その一升瓶の消費も激減しています。
最近、木製樽(たる)の暖かみが見直されて、数社の醤油屋さんから木製樽(たる)の注文が相次ぎました。
もっぱら店頭で昔のように木樽(たる)から計り売りをするそうです。
清酒では、木樽(たる)から酒を呑ませてくれる店が何軒もありますが、醤油は珍しい例です。
きっと評判になる事でしょう。

酒樽(さかだる)に接着剤を使わず、竹釘を使うので起こるトラブル

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これは前にも紹介した「目廻り」と言う木のトラブルです。
無理矢理、木目の中に竹釘を叩き込むと木目が割れてしまいます。
原木の時からひび割れている場合もありますが、この場合は叩き込み杉です。
木工用接着剤を使えばこんな事は起こりませんけれど、樽屋竹十の場合、
江戸明治期の樽作りの手法に戻したので、こういうトラブルも仕方がありません。

全ての樽(たる)作りに化学的接着剤を使わず、竹釘接ぎをしている証拠でもあります。

2010年12月4日

野田から醤油樽(しょうゆだる)の研究者来たる

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「野田の樽職人」の著者小川浩氏が千葉県から樽屋竹十に樽の調査に来られました。
醤油樽(しょうゆだる)の研究を長く取り組んでおられます。
一日ご一緒させて頂き、こちらも学ぶ事が多々ありました。

かつて民俗学者 宮本常一氏が監修されていた、近畿日本ツーリスト発行の小冊子「あるくみるきく」の内、「灘五郷の樽と桶」の号に小川氏も寄稿されています。
最近、この雑誌が単行本にまとめられ関東編から順に刊行されていますので、
そのうち皆さんの目に留まる筈です。

2010年12月3日

樽(たる)の中に入った聖護院大根

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ようやく冬らしくなってまいりました。
町を歩くと美味しそうな野菜が目にとまります。
いずれ又、漬物樽に容れられるであろう聖護院大根も漬物樽に入って店頭に並んでおりました。
これは多分、千枚漬けになる材料でしょう。

このように生野菜を容れて置くだけでも、プラスチック等より木製樽(たる)の方が、
中に容れた物の鮮度を保つ力は勝っております。
それ以前に店頭に置いた時の雰囲気作りに木製樽(たる)が最適です。

2010年12月2日

2010年12月1日

酒樽屋が贔屓のギタリスト、初のベスト盤を発売

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後ろ姿がカッコいい!!!
前から撮ると皺だらけだからかも知れません。
ジャケットを開くと皺が少なめの顔が登場。
いつも聴き取りにくい歌詞がブックレットになって同梱されて便利。

,同じ頃、自伝(と言っても旧友James Foxによる聞き書き編集)『LIFE』や雑誌の特集が相次ぎました。
肝心のCDの内容は最後のHURRICANEが特筆もの。長く入手困難でしたから。
この一曲だけMP3で買うという訳にはいかないのです。

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深夜、西麻布ではなく麻布十番で樽屋竹十の漬物樽に出会う

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日付も変わる頃、麻布周辺を歩いていると、樽屋竹十の漬物樽に遭遇。
しかし、そこは清酒を呑ませる居酒屋ではなくフレンチ焼鳥とワインの店「匙」。
かつて、港区へたくさんの漬物樽を送った事を思い出しました。
余った樽(たる)を「物入れ」として転用し店頭を飾ったのでしょうが、
自分の作った樽(たる)と意外な場所で偶然再会する事は奇妙なものです。
毎日のように全国へ漬物樽(つけものだる)や味噌樽(みそだる)を出荷していますから、
こういう不思議な夜があっても不思議ではありません。

ただし、作った者にとっては屋外に並べるだけなら、植木鉢樽(たる)のように、
それなりの作り方があったのにと、少々残念でもあります。

2010年11月29日

酒樽屋がつくる一番大きな味噌樽(みそだる)

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今年も味噌作りの季節になりました。
去年と少し違う傾向は皆さんの作られる味噌の分量が多くなって来た事です。
これまでHP上で販売して来た「大」と「小」では間に合わず、
その倍や更に四倍の大きさの味噌樽が必要になります。
��0キロや30キロ或いは40キロの味噌つくりに対応出来ます。
これ以上大きい物は四斗の漬物樽に被せ蓋(ふた)を添付する方法を取ります。

蓋(ふた)を二枚、落し蓋(ふた)と上の被せ蓋(ふた)の二枚を必ず付けるのですが、
これも完全に接着剤を使用しない物に変更しました。

写真の味噌樽(たる)は高さが一尺八寸(約56センチ)もあります。
更に蓋(ふた)の厚みも七分(約2センチ)の厚みの丈夫な物になりました。
蓋(ふた)や底に使う材料ももちろん吉野杉です。

ちなみに左で植木鉢に使用している樽(たる)が四斗樽(たる)すなわち56型、
右側に見える小さい漬物樽(たる)が五升樽(たる)すなわち27型です。

2010年11月24日

酒樽屋が酒樽をつくる

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弊店の樽は全て吉野杉で作ります。
殊に重要な側面の「榑(くれ)」と呼ばれる箇所は、奈良県吉野郡川上村の原木のみ、
ごく稀に近隣の黒滝村、東吉野村の杉を用いる事もあります。
この三ヶ所の杉のみ、江戸期から樽材として植林されて来た杉です。
樽の需要が減ると共に建築材への転用が増えて立場が逆転しましたが、
近年、建築材も外材に押されて内地材の使用が減り、樽材の立場戻って来ました。
残念ながら、酒樽は固定価格なので樽材も余り高価な原木は使用出来なく、
更に良い原木自体が入手困難になって来ております。
吉野地方の木材市場に良質の杉が出品されなくなり、
樽丸業者がたいそう困惑している状況です。
幸い、弊店は自身の山林から酒樽に相応しい吉野杉を直接伐採し、皮を剥いて、
山中にて乾燥させ、ヘリコプターを利用して麓まで降ろします。
命をかけた仕事です。
杉に限らず、材木は麓からではなく、奥地から順に伐採しなければならないので、
切り出し作業が困難です。
ロープを張って他人の山の上を通過して降ろすと通過料を請求されます。
急いでいるときはヘリの方が費用はかかりますが、手続きが容易です。
最近は切り出し専用の林道を造る方式が採用されています。

建築材として植林していたので直径が約1メートル位の百年ものを贅沢に使います。
木目も密集していて色も良く,良い手入れが施されていて高価ですが、
作業はむしろ楽になります。
酒樽には本来60年〜70年ものが最適と言われていましたが、
適度な材を入手出来ないので仕方がありません。
��0年以上前の原木は径が大きい事と白太が経年により変色しているので良質の甲付材を多く取る事が出来ないという問題も含んでおります。
ちなみに百年以上の杉は老化が始まっているため、酒樽には適しておりません。
 
その後、四斗樽用、二斗樽用、一斗樽用、
及び二斗ハンダルセット用の四種(四斗ハンダルセットは一斗樽)の長さに切断し、
それをミカン割リにします。
その後、一番外側の白太は柾目に割り、桶に。或いは箸に使います。
外が白太で中が赤味の「甲付材」を最初に割り、続いて直ぐ中の赤味を割ります。
甲付材は一本の原木から一ヶ所、赤味材を二三枚取ります。
専用の刃物「銑(せん)」を用いて、仕上げ充分な風と日光にあてて乾燥させます。
 
蓋(ふた)と底は廉価に作る必要がありますので、吉野材の中でも一段階低い
原木を、今度は割らずに製材所で電動鋸によって挽きます。
これも充分な乾燥を経て、選別し例えば四斗樽の蓋ですと径が大きいので、数枚の板を竹釘を用いて継いで行きます。
これに鉋をかけて帯鋸で回し、丸く加工します。
人体に悪影響を与える接着剤等は一切使用しません。
アトピーやハウスシックの方に大変迷惑をかけるため、たとえ手間が何倍もかかれども化学物質は一切使用しないことにしました。
杉は柔らかい木ですから竹箍(たが)で樽を締める際に木目が圧縮されますので、
完成した樽を丸く仕上げるためには、底と蓋(ふた)は微妙な寸法ですが、楕円に加工しなければなりません。
底と蓋(フタ)の材料は樽丸をミカン割した際に木目が歪んでいたりする物も出て来ますので、これを利用する事も最近では増えました。
側も底蓋も原木の質。その年の気候、乾燥させる場所によって様々です。
完全に乾燥してしまうと酒樽特有の木香が抜けてしまい。乾燥不十分ですと、樽に狂いが生じますし、場合によってはカビ等が発生する原因になります。
カビと思われているうちの殆どが、杉の「アク」であり、カビは殆ど発生しないよう留意しております。
 
吉野杉は秀吉の時代に樽の材料のために日本で始めて本格的な人口植林をはじめたものです。この中心になったのが吉野郡の奥地である川上村です。
��000本の苗木を手入れして百年がかりで一本の銘木に育て上げます。
建築材にその地位を奪われましたが、最近また価値を見直されて来ました。
底と蓋(ふた)の一部は価格と材料不足のため、吉野郡の麓の材も使用します。
 
酒樽の場合、カビが最も発生し易い箇所は竹箍(たが)です。
内部に影響がないので、ビニール等で密封しなければ発生を防ぐ事が出来ます。
石油系化学物質は一切使用しないで江戸明治の手法に戻す事に致しました。
 





2010年11月1日

漬物樽(たる)の秋は何処へ行った?

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今日から,いよいよ十一月です。
酒樽屋は俄然忙しくなります。
先日までの猛暑が嘘だったように、過ごしやすい秋を飛ばして突然の冬です。
そう言えば、どうやら日本は猛暑と厳冬、豪雨の三季になって、春と秋は数日だけという、
変形熱帯に移っているようです。

今年も、つけもの樽(たる)の季節になりましたが、これだけ野菜が高騰し品薄ですと、
生野菜が高級食材になってしまい、サラダも贅沢品になってしまいました。
漬物どころではなくなって来ても仕方がありません。
それでも、接着剤を使っていない吉野杉の木製樽で漬物を作ろうと思われる方々、
漬物大好きの方々には、野菜の価格は関係ないようです。
全国各地から、毎日のように注文を頂きます。
樽屋竹十も漬物樽(たる)の価格改定は少し先に見送りました。