酒樽(さかだる)にせよ、漬物樽(たる)、味噌樽(たる)など、どんな樽(たる)でも、
短冊形の吉野杉を丸く組み立て、底と蓋(ふた)を込め、最後に竹の箍(たが)で締める訳ですが、
写真の部分が切れてしまうと箍(たが)本来の強度を失ってしまいます。
酒樽、漬物樽、味噌樽など、洩れないように作らねばならない樽は勿論のこと
樽太鼓なども使用中に竹がはじけてしまう可能性があるので、箍(たが)を巻き直さねばなりません。
長い竹の太い部分を「元」(もと)、先端付近の細い部分を「末」(すえ)と呼ぶのですが、
箍(たが)を巻いた(結ったとも謂う)時に「元」の下が切れた箍(たが)は、
切れ易いので不良品として廃棄します。
写真の内、下の箍(たが)は正常な状態、上の箍(たが)が「元下(もとした)」の切れたものです。
樽(たる)に巻いて(結って)力がかかり、切れる場合や、最後の仕上げの際に誤って切ってしまう時、
あるいは初めから竹自体の細胞が切れ易い場合など様々です。
とにかく「元下(もとした)」の切れた樽(たる)は長持ちしません。
この部分を「元下(もとした)」と呼びます。
箍(たが)の中で一番大事な部分です。
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