酒樽が出来上がっても、遠い地域に発送するためには梱包が必要です。
この酒樽は最初から樽本体から蓋(ふた)を外しています。
「鏡開き」は難しいものではないのですが、初めての方も多いので
蓋(ふた)を樽(たる)から抜いてしまった空樽の依頼が最近は増えました。
別途に一升瓶入の清酒を10本発送して、新年会などの現場で木樽に酒を入れる訳です。
この方法は吉野杉の香りが清酒に付くための時間が短く、
杉の木香が弱いので本来の樽酒を楽しむことが出来ない点が短所なのですが、
何日か前から空樽へ清酒を入れておき、木香が付いた頃を見計らって、
一旦別の容器に移して当日、その酒を樽に戻すと樽酒が楽しめます。
ちょっと面倒ですね。
蓋(ふた)を外した樽(たる)に清酒を入れて移動すると、こぼれますから仕方がありません。
この紐の掛け方は「三ツ輪掛け」といって菰(こも)を巻かない裸の酒樽の輸送に使う方法です。本来は荒縄を使います。
今は「仮巻」とも呼びますけれど、本当の仮巻とは酒樽に無地の菰を巻く事なのです。
この巻き方は簡単そうに見えますが丸いものを綺麗に梱包することは意外に難しいものです。
それに、たくさん巻かねばならないので、スピードが早くないと仕事になりません。
荷造り中にセイヤッとかヨオッとかソレッとか掛け声が入ってれば、ライブ感が伝わって嬉しかったかな・・
返信削除と言ってもドスコイみたいなのはチョイと違うでしょうけど・・
樽関係の作業の際は、みんな黙々と仕事をするのが習わしです。
返信削除試しに掛け声をかけながら荷造りをしてみましたが、直ぐに解けてしまいました。
でも、一升瓶が40本も入った四斗樽は100キログラム近くありますから、
荷造りの時は、さすがに声が出ます。
それより、和菓子が空を飛ぶ時代なのに神戸湊川の「菊水總本店」が閉店するとは残念でなりません。