2009年5月18日

酒樽屋のお八つ  その弐拾參 カヌレ

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パン屋さんMOISANのカヌレです。
大阪そごうが8月に閉店するので、いつまで美味しいパンが食べられるのか心配です。
カヌレはともかく、ここの細めの「フリュート」はパリのバゲットの味を持っているからです。少々値段は高めですけれど。

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大阪市中央区心斎橋1丁目8番3号
そごう心斎橋本店B1
Tel.06-6244-5488
営業時間:10:00-20:30
不定休

2009年5月17日

酒樽(タル)に入れる清酒をつくるには米と水が不可欠

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昔の一俵です。基本的に酒樽(タル)菰(コモ)の巻き方に似ています。
かつて、物の梱包はすべて、藁(ワラ)を使い、こんな施し方をしていたのでしょう。
酒樽(タル)の菰(コモ)巻きにだけ、その名残があるのかも知れません。
一俵が約30キロ。
今は紙袋に20キロ入で届きます。

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必ず「山田錦」とは限りません。
それに、この米は清酒専用なので炊いて食べても決して美味しくはないのです。

樽(タル)屋の好きなGIRO D' ITALIA真っ最中|

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��月は恒例のイタリア一周レースです。
今年で100回記念の筈。
ヴェネチアからスタートしたレースも、もう第8ステージです。
タル屋はJスポーツと契約しようとしていて、間に合いませんでした。

ランス アームストロングがマシーンの盗難や自己の骨折などの災難を乗り越え復帰している事が話題。成績は?

2009年5月16日

吉野杉を使った木樽の作り方 その7 底を入れる

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底が入る部分を中心に、「丸かんな」で側の段差を整えます。
この作業を怠ると、段差から洩れる原因になるので、重要な工程です。
結構、力と注意力を必要とします。

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あらかじめ、用意しておいた、「底」を所定の位置にはめ込みます。
余り浅い所に入れると容量が足らなくなりますが、
樽太鼓などの場合は浅い程、堅い箍(タガ)を入れる事が出来ます。
もし、底が大き過ぎて所定の位置に納まらない場合は、周囲に銑(セン)をかけて、
底を小さく加工します。

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叩き棒を使って底を水平に、且つ水平に叩き込みます。
余り強く叩くと杉の木ですから、底が割れてしまいますし、緩いと作業の途中で底が抜けてしまいます。
左手に持った、深さを示す「物差し」で測りながら規定の場所まで叩き込みます。






2009年5月15日

酒樽屋 阿波踊り用のタル太鼓を配達する

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タル太鼓は近所の学校や幼稚園からの注文も多いので、タル屋自ら配達することも屢々。
阿波踊りに使う樽(タル)は、もっと小さいものなのですが、
今回は一斗樽(タル)を納めました。

阿波踊りは四国だけの催しだとばかり思っていたのですが、東京の高円寺や三鷹など、
各地で盛んになってきています。




酒樽(タル)屋が阿波踊り用の樽(タル)太鼓を作りはじめる

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毎年、同じなんですけれど、5月〜6月はタル太鼓の注文が殺到します。
各地の学校ではタル太鼓への予算の関係もあり注文が今頃になります。
また秋にある祭のためには、今からタル太鼓の練習をしておかねばならない訳です。

夏祭り用に使うタル太鼓も今頃から注文が入ります。
阿波踊りや、よさこい、八木節等の各祭りにタル太鼓は欠かせない物になってきました。



2009年5月14日

酒樽屋のお八つ  その弐拾弐 蘇格蘭製ビスケット

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単なるスコットランド製のビスケットです。1830年創業のパン屋さんCAMPBELLSのペチコートテールですが、

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どこかで見た事があるなあと思って、倉庫を探すこと一時間。
ようやく奥の方で埃をかぶっていた、
丸竹を割る道具「菊割り」、通称「蜘蛛の巣」を見付けました。
樽(タル)の箍(タガ)を割るには向いていません。
もっと短い、一尋(ひろ)位の長さの素直な竹を割る時に使います。
即ち、最近見かけなくなった壁下地に使う竹を割る際に使っていた物です。
今は壁紙が殆どで、漆喰を使うときも下地に竹を組む事は稀で、我が家でもボードです。
樽(タル)の箍(タガ)に使った残りの短い先の方は、こうして竹下地に使っておりました。
更に先の部分は帚(ホウキ)の柄に使い、太い部分は竹杓に、残った端材で竹釘を作るのです。




2009年5月13日

酒樽(タル)屋は酒樽(タル)を作る

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長い連休が終わりますと、急に暖かくなってまいりました。
しかも,雨が多く、湿気があります。このまま梅雨に入るかも知れません。
この時期が酒樽(タル)屋にとって、一番困った季節なのです。
新酒が出尽くして、酒樽(たる)の出荷が鈍るのに、竹の箍(たが)や蓋(ふた)の裏に、
黴(かび)が発生し易く、ビニール袋は大敵なのですが輸送上、やむを得ません。
完成した酒樽(タル)を余り密封して保管してはいけない時候なのです。
かといって、裸で樽(タル)を放置しますと、この後やって来る夏の高温と日差しに、負けて
一気に乾燥してしまうから困ったものです。
倉庫にある酒樽(タル)の管理に苦労します。

昔は湿度の高い「つゆのあとさき」には注文品以外の酒樽(タル)は決して作らず、作り置きしなかったものです。
結婚式に使う鏡開き用酒樽(タル)以外には殆ど、酒樽(タル)の受注は途絶えるのですが、
稀に何かのイベント用に沢山の酒樽(タル)を出荷することが最近は多くなりました。





2009年5月11日

酒樽(タル)屋が観に行った映画

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「メイプルソープとコレクター」という邦題ですが、原題は[BLACK WHITE+ GRAY]
これでは何の事か判らないので、こんな風に訳したのでしょう。
アメリカでの副題も「メイプルソープとワグスタッフの肖像」。

樽(タル)屋の女房が行くと言うので、期待せずに一緒に行ったら、思いのほか秀作でした。
「完璧の瞬間」Perfect momentを追求したメイプルソープ(1946-1989)の写真が目当てで、観に行くと意外な内容に驚きます。

彼が死んでから20年も経つのですね。
主人公は彼のパトロンであり、恋人であった、SAM WAGSTAFFなのです。
それを、ふたりの間にいたひげ面のPATTI SMITHたちが語るというドキュメンタリーです。

二人は同じ11月4日生まれ。当時のN,Y,で活躍していたウォホール等と共に多くのアーティスト同様、共にHIVにより死去。
現在だったら、もう少し治療方法が進歩しているので、死に至るまでにはならなかったでしょう。

Mappelethorpeの写真がモノクローム中心である事や、Wagstaffが1964年に企画した[Black,White and Gray]という展覧会の名称も関係あるでしょうが、BLACKやGRAYには「お金」という意味が隠されているに違いありません。

元になった資料は
_パトリシア・モリズローの著作、監督はジェイムス・クランプ

2009年5月9日

木樽(タル)を作るには竹は不可欠です

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筍(たけのこ)の時期です。
この時期には多くの虫が竹を食べにやって来て卵を産んで行くので伐採出来ません。

春ですが紅葉のようなので「竹の秋」あるいは「竹秋」と謂います。
竹は古くから十干十二支の最小公倍数である60年、あるいは倍の120年目に
一斉開花し、群れ全体の根も全て枯らして、その生涯を終えるという いさぎよく不思議な植物です。
天寿を全うするので、松竹梅のひとつに選ばれ、目出たい物の象徴と言えましょう。
木製樽(タル)に使う竹は真竹ですが、10年生までの物を使います。

昭和45年に、西日本で大開花があり、枯死しました。
和漢三歳圖繪」によれば「謂之竹米以為荒年之兆」とあり、凶作の前兆といわれておりましたが、この年は稀に見る豊作で故事が違っていた事になります。

掘り当てし 井戸の深さや 竹の秋        長谷川零余子





2009年5月6日

酒樽屋のお八つ その弐拾壱 特大どら焼き

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亀十の大きな「どら焼き」です。皿からはみ出しそうです。
竹十とは関係ありません。
大正末期創業の同店は、”亀は万年”の着実に進む亀の歩みと十のおめでたい縁起をかついで亀十と名付けたそうです。


亀十のどら焼 一個 315円(白餡もあり)

亀十
東京都台東区雷門2-18-11
TEL:03-3841-2210
10:00〜20:30
定休日: 第1、第3月曜


酒樽屋、寿司桶を修理する

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隣町にあるお寺の住職さんが痛んだ寿司反切(はんぎり)を持って来られました。
切れた竹の輪を替えるためです。

少し前まで、どこの町にも「輪替屋」という職人が定期的にやってきて、このような、
作業を低価格で請け負ってくれたものです。
最近は、自転車に乗った豆腐屋さんや魚屋さんも見かけなくなりました。



2009年5月2日

酒樽屋が作る小さい樽(たる)

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酒樽(たる)屋が作る樽(たる)には大きさに限界があります。
基本的に樽屋が作ることの出来る最大の寸法は高さが一尺八寸(約59.999999999.........㎝)の樽(たる)。
いちばん小さい物は高さが九寸(約29,99999999...................㎝)の樽(たる)です。

但し、写真の右側にあるような 大きい味噌樽(たる)サイズのものを作ってから高さを調節します。
このようにして、高さが六寸(約19.99999.....㎝)や五寸の小型の樽(たる)を作る事も出来ます。
偶然ながら、写真の左に見える作業用の水桶が、よく似た寸法です。


2009年4月26日

小さい酒樽(タル)、漬物樽(タル)、樽(タル)太鼓を作る

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樽(タル)屋は3種類の長さの榑(クレ)を使用して3種類の木樽(タル)を作ります。
最近は小さい木樽(タル)の需要が増えて長さ9寸(約29.33333333333333.......㎝)を
利用した木樽(タル)即ち五升樽(タル)を作る機会が多くなりました。
一斗樽(タル)の半分の容量です。
赤鉛筆と比べると、その小ささが判ると思います。

これ以上小さな樽(たる)と逆に高さが一尺八寸(約59.99999999999999..........㎝)の物は桶(おけ)屋さんの仕事になります。
ただし、作った樽(たる)を短く切って、四寸(約13,333,333,33333.....㎝)や三寸(約9.99999999999999999999999999999......㎝)等、背の低い樽は製作可能です。
直径に限界があるだけです。

今回は東京郊外の方の御要望により、一斗樽(タル)と五升樽(タル)の中間の大きさの木樽(タル)を作りました。
昔から使っていた樽(たる)が寿命で使えなくなり、同じ大きさの物が必要になったのです。

写真は左から一斗樽(たる)太鼓、今回の中間の寸法の樽(たる)太鼓、五升樽(たる)の三種。
右端の五升樽(たる)のみ酒樽(たる)です。

調べてみますと、この大きさは昭和50年頃まで奈良漬用の樽(たる)として全国に進物用に出荷していた寸法です。
今では、こんなに沢山の奈良漬を食べる機会が少なくなったので製造を中断しています。



2009年4月21日

酒樽屋のお八つ その弐拾 資生堂パーラー

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資生堂パーラーの手焼き「花椿ビスケット」です。
むかし懐かしい味です。
今でも昭和初期のレシピを変えていません。
かわいい缶は他に金缶と青缶があります。

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明治四年創業、日本初の洋風調剤薬局「資生堂」のソーダ製造機です。
創業者福原有信はパリ万博の視察の帰りに寄ったアメリカでドラッグストアが薬局と
飲食店を兼ねている事を知り、明治35年に店内に「ソーダファウンテン」を設ける。
本物志向の有信は写真のソーダ水製造機だけでなく、シロップやコップ、ストロー(麦わら)に至るまでアメリカから取り寄せました。
日本初のソーダ水や当時まだ珍しかったアイスクリーム人々の評判を呼びハイカラな新名所となりました。
新橋のおねえ様方が御贔屓であることは今でも変わりません。




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