2007年7月19日
吉野杉の酒樽と杉箸
酒樽に使う最適の材料として開発されたものが吉野杉です。杉製品として酒樽と杉箸は助け合って発展してきました。
現在では吉野杉といえば高級建築材だと思われる率の方が高くなっていますが。
酒樽、杉箸のどちらに使っても辺材は生まれます。
この辺材の白い部分を捨てるのは勿体ない、何かに利用できないかと考えた末、出来たのが奈良県吉野郡特産の杉箸です。
これらは、山の手入れによって出た間伐材や、焼却せざるを得ない不要な部分を利用しているのであって、決して、過剰な伐採によるものではありません。
一時、エコロジーという名のもと「割り箸は無駄」と言われ、目の敵にされて、美しい箸を作っていた吉野地方の多くの箸業者が廃業に追い込まれました。
むしろ、問題なのは現在、日本向けに行なわれている東南アジアや中国の大規模な森林伐採です。
これは明らかに環境破壊であって、現地では事実多くの自然災害を引き起こして問題になっています。
今頃になって事態を重く見た中国政府は来年から日本への輸出を禁止するのだそうです。
今、日本の市場に出回っている割り箸の多くがこれらの国からの輸入製品です。
これらの産業によって、現地の人々の生活が潤っている訳ですが、台風などの災害の際に被害者になるのはいつも現場で働いている貧しい人々です。
しかも、神経質なほど清潔好きである日本人向けに雑木を漂白までしています。
食堂の割り箸が異常に白く、奇妙な味がするのは現地での薬品処理によるものなのです。
食べ物を口に橋渡しする物が「箸」です。最も重要な食器です。
一度、吉野の杉箸を使ってみて下さい。食べ物の味が全く違うことを理解してもらえると思います。
吉野杉の割り箸は決して特別な物ではありません。一膳5円位から販売しています。
上の写真、上から「天削」、次が高級品の「利休箸」、一番下が我々が日頃よく目にする輸入品です。
明日のテレビ番組で「箸」はどんな風に紹介されるのか不安ながら楽しみです。
多分、田中淳夫氏著『割り箸はもったいない?』(ちくま新書)をヒントにするんじゃないかと樽屋は思っているのですが・・・
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