2007年7月15日

漬物樽(つけものだる)の栄光と悲惨

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酒樽屋の隣町に住むH夫人の漬物小屋(都市部でこんな空間を持つ贅沢!なんと井戸まで完備)には、
先祖代々伝わる、名物糠床がありました。
たるや竹十」も、この糠床をお裾分けしてもらっておりました。

ところが、数十年愛用の漬物樽が傷んでしまったので、ある朝、H夫人は手近にあったプラスチック樽に替えてしまったのです。
結果は火を見るより明らか。伝来の名物糠床をダメにしてしまいました。


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漬物樽にプラスチックの容器を用いると、こんな悲惨な事態になります。
しかも、漬物から出る塩分がプラスチックを溶かしたり、夏冬の温度変化で漬物樽が割れたりします。

また、木製の漬物樽の中でも柾目のものは過剰に水分が流出して長期保存には適していませんし、
人工樹脂でコーティングしたものは一見きれいですが、呼吸出来ないので木製樽の効果はありません。




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たるや竹十製酒樽の一空樽(一度、酒樽に使った物の蓋を抜いて漬物樽に転用した)

H夫人の糠床ですが、
心機一転、「たるや竹十」に二斗漬物樽を依頼され、新たに昔のものより美味しいものを作成されました。
柔なことで挫ける下町のH夫人ではありませんでした。

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