これは昭和53年に保育社から刊行されたカラーブックス。人気だったシリーズの一冊です。
この表紙の写真を見た時、酒樽屋は愕然としました。
恐らく、どこかの酒蔵から入手した大桶でしょうが、ビニールで覆われています。
たいへん、気になるのが大桶に敷かれた、このビニールです。
吉野杉の大桶は呼吸しています。木製漬物樽もしかりです。
ビニールを敷かれると窒息します。
これでは、折角貴重な大桶を使ってもプラスチック容器に漬け込んでいるのと同じです。
プラスチック樽は呼吸しません。
日本のように湿気の変化の多い地域では四季の温度湿度の変化に合わせて木樽が動き、
天然乳酸菌の発酵に最適の調整がおのずと成されます。
木樽という自然素材ならではの環境変化への適応作用です。
昭和30年代に石油製品が普及し、老舗の漬物屋さんでもビニール袋を木製の
漬物樽に使うようになりました。樽屋にとっては考えられない程、不思議な行為です。
何故、折角の木製漬物樽にビニールを敷く理由を機会があれば漬物屋さんたちに訊いてみたいと思っています。
是非、漬物樽はビニール等を敷かないで使って頂きたいと樽屋は常々願っています。
ФФ写真のカラーブックスは版元倒産のため現時点では絶版・入手不可。現在の保育社は再建された別会社。ここではこの「つけもの」のようなマイナーな出版物の再版は困難。
実はこの記事にトラックバックしたのですが、上手く行っているのかどうか分からず、何度もついていたらゴメンなさい。
返信削除コメントありがとうございました。美味しい漬物が出来ることをお祈りいたします。
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