2010年10月1日

酒樽屋の秋

DSC01331.JPG越後、上原酒造の軒先

今日は酒の日だそうで、各地で催しがあります。
「酒」という漢字の「酉」が十二支の十番目だからという無理なこじつけのようですけれど、

全く意味がない訳ではなく、「酉」という漢字は壷の形を現す象形文字。
壷はもちろん酒壷を意味します。
この時期には新米が収穫され、十月は新酒が醸される月でもあります。
明治期に制定された酒造法では10月から翌年九月までを酒造年度と定めました。
そんな訳で十月一日を「酒造元旦」と呼ぶ風習が一部の酒造家達の間には残っているようです。

「樽屋」の動きも変わります。
十月は各地で秋祭りがあったり、結婚式が増えたりして、酒樽の注文が集中します。

年始から、味噌樽(みそたる)、樽太鼓(たるたいこ)と御注文が続いておりましたが、
先日までの記録的な猛暑が嘘だったように、急に過ごしやすい気候になったからでしょうか、
漬物樽(つけものたる)また気温が下がったので、もう一度「味噌樽」。そして、本流の酒樽(さかだる)の製造に樽屋(たるや)の仕事も移行して行きます。
お陰で一年を通じて「樽」を作り続ける事が出来る訳ですが、
数年前までは、11月〜12月に酒樽の注文が集中して、夏期は主に蓋(ふた)の製作に明け暮れておりました。

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