写真・文化庁
酒樽に使う材料である吉野地方の樽丸(たるまる)の製作技術が一月十八日に重要無形民俗文化財に指定されました。
二紙に詳しいので記事を紹介しておきます。
奈良県吉野地方で伝承されている樽丸(たるまる)の製作技術について、国の文化審議会は18日、重要無形民俗文化財に指定するよう答申した。吉野杉の特性を生かしながら酒樽の用材を作る貴重な加工技術で、芸能ではなく伝統的な製作技術が重要無形民俗文化財に指定されるのは、県内では初めての例となる。
産経ニュースより 2008年1月19日
樽丸は、側板を作り、それらを丸めて竹の輪などで一定量束ねた用材。吉野地方では江戸時代中期に、兵庫県の灘や伊丹などで使われる酒樽のために製作が始まった。きめ細かな年輪と香りを持つ吉野杉の特徴を生かし、最盛期の江戸時代後期~明治時代には吉野林業を代表する生産品となり、割りばしの製作技術も派生したという。
現在は「吉野の樽丸製作技術保存会」(栗山晴昇会長)の職人14人が技術を伝える。木材を割ったり削ったりする基本的な技術だが、6つに分かれる工程では、木材の特性を知る熟練した技が求められるという
国の文化審議会は18日、吉野川の上流地域に伝わる「吉野の樽丸(たるまる)製作技術」を、重要無形民俗文化財として指定するよう文部科学大臣に答申した。県内の同文化財は6件目となる。
「樽丸」は、吉野杉から作った「クレ」と呼ばれる酒だるの側面の板を、運搬のために竹の輪の中に詰め込んだ束のこと。
江戸時代中期に始まったとされ、きめ細かな年輪と香りの良さが好まれ、酒造が盛んだった灘や伊丹などに向け出荷されていた。吉野の林業そのものが「樽丸林業」と呼ばれていた時期もある。林産加工技術としての重要さが評価された。
現在も川上村、吉野町、黒滝村、下市町で受け継がれ、地元の「吉野の樽丸製作技術保存会」が保護、継承に努めている。【花澤茂人】
毎日新聞(奈良版)より 2008年1月19日
数年前に樽丸を作る道具が文化財に指定された事に次ぐものですが、これらを使う酒樽の存在を忘れているようなので、「樽丸製作技術保存会」でも酒樽の製作技術についても目を向けてくれるように文化庁に懇願するそうです。
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