杉の中でも最高といわれる「吉野杉」でも、中には樽(たる)に適していないものもあります。
杉も竹も生き物ですから仕方がありません。
原木を輪切りにした時、樽丸に仕上げる時、樽(たる)を作る時などなど、
何段階もの選別の機会があるのですが、これまた人間の仕事ですから、見落としも稀にあります。
写真の真ん中に見える材料が「目越し」という状態。
水分が木の細胞を通じて滲み出し、どのような方法をとっても滲みを止める事は出来ません。
この一枚だけを交換するしか手段はないのです。
杉の細胞が完全に死んでいて、このような木を「ネキ」(多分、木が寝てしまった意味でしょう)と呼びます。
どんな名人でも、この種の材料を使って樽(たる)を作ることは出来ません。
この一枚のために樽(たる)がダメになるので、選別には厳重な注意が必要なのです。
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