2010年6月8日

杉樽(たる)に於ける「目回り」

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酒樽(たる)に使う樽丸(たるまる)の中にも非常に稀ですが、
写真のような不良品が混入することが一年に一度位あります。
木口の黒い部分の冬目が割れているところが見える筈です。

これは「めまわり」と呼んでいる状態で、木目に沿って杉が縦に割れてしまっているのです。
このような材料は樽(たる)に組み立てる時、竹の箍(たが)の力に耐えられないので、
どんな種類の杉樽(たる)であっても使用不能です。
廃棄する他に手段はありません。
本来、ここまで歴然とした状態のものは樽丸(たるまる)の製造過程で見付け次第廃棄しますので、樽屋(たるや)の工房に登場することはあり得ません。

これは、樽屋(たるや)の倉庫に保管中、乾燥して木目が割れてしまったのでしょう。

こんな状態になる原因は山林内での「強風」です。
台風等で強い風が吹くと、当然ながら杉の大木も大きく揺れる訳ですけれど、
ある限界を越すと、このように垂直に木目が割れるか、それとも、
かつて紹介したような「風折れ(かざおれ)」又の名を「うて」という水平にヒビが入る
被害を受けることになる訳で、共に樽(たる)に加工出来ないため、焼却します。

更に強い風に遭った杉は原木まるごと地上に倒れ、山から搬出する値打ちもないので、
山林の中に放置されたままになっています。

決して「風が吹いたら桶屋が儲かる」訳ではないのです。

「めまわり」も「うて」も光線の加減によって見落としにくいものですから、
材料の選別には細心の注意が必要です。

酒樽屋のお八つ  その參拾

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LADUREE(ラデュレ)の「マカロン」です。
早く食べないと美味しくないので、現物はもう無いため間違っているかも知れませんが、
多分、左がショコラ、右がマント・グラシアン。
��862年パリ、ロワイヤル通りに創業。
ふたつのマカロンを合わせて、中にガナッシュを入れて48時間ねかせて置くそうです。
今では軽い食事も出来るシャンゼリゼ店の方が人気の由。


最近、東京と名古屋にも進出したので入手し易くなりました。

銀座三越 東京都中央区銀座4-6-16
午前10時~午後10時 03-3563-2120

日本橋三越 東京都中央区日本橋室町1-4-1
午前10時~午後8時 03-3274-0355

名古屋高島屋 名古屋市中村区名駅一丁目1-4 
営業時間:10時~20時 052-566-3877


2010年6月7日

樽屋 またまたテレビ番組に !?

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最近、取材続きの樽屋ですが、この度は「樽太鼓」をニュース番組でご紹介いただくことになりました。


NHK 神戸(兵庫県のみ) 「テラス関西」6月7日夕方6時10分〜7時(6時40分頃の5分程度)
NHK 近畿5府県 「ぐるっと関西」6月8日 昼11時30分〜12時(5分程度)



そんな訳で神戸市立本山第二小学校の6年生の皆さんが樽太鼓を使って「本二太鼓」の練習をしている風景も放映予定。

そして、吉野杉の原木から樽丸を作り、竹と底蓋を組み合わせて
「樽太鼓」を作る工程の一部も撮影しました。
化学的な接着剤を一切使わず竹釘で継ぎ、材料は「樽太鼓」の場合も奈良県吉野郡川上村の杉のみで組み立てております。



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2010年5月28日

杉樽(たる)に於ける「目越し」

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杉の中でも最高といわれる「吉野杉」でも、中には樽(たる)に適していないものもあります。
杉も竹も生き物ですから仕方がありません。
原木を輪切りにした時、樽丸に仕上げる時、樽(たる)を作る時などなど、
何段階もの選別の機会があるのですが、これまた人間の仕事ですから、見落としも稀にあります。

写真の真ん中に見える材料が「目越し」という状態。
水分が木の細胞を通じて滲み出し、どのような方法をとっても滲みを止める事は出来ません。
この一枚だけを交換するしか手段はないのです。
杉の細胞が完全に死んでいて、このような木を「ネキ」(多分、木が寝てしまった意味でしょう)と呼びます。
どんな名人でも、この種の材料を使って樽(たる)を作ることは出来ません。

この一枚のために樽(たる)がダメになるので、選別には厳重な注意が必要なのです。

2010年5月11日

味噌樽(みそだる)の大中小、三種

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人気の「味噌樽(みそだる)」に「特大」(高さ約56センチ)を加えて、
大中小の三種が揃いました。
容量は、それぞれ約36リットル、18リットル、9リットルです。

これらの味噌樽(たる)には、落し蓋と上蓋の二枚が必ず付属します。
そして、この二枚の蓋(ふた)も吉野杉を用い、接着剤を使用せずに竹釘で継いでおります。

この形態の味噌樽(みそだる)は本来、樽屋ではなく、桶屋の仕事なのですけれど、
かつて、日本の町には必ず一軒あった桶屋が激減し、むしろ樽屋の方が未だ少しは残っているものですから、こういう仕事も樽屋が請け負わざるを得なくなってしまった訳です。

「桶(おけ)」と「樽(たる)」の違いは書き出すときりがないので、またの機会に。


2010年4月26日

樽屋 ニュース番組に登場

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遅いけれど、桜の季節です。
「テレビ大阪」の『NEWS BIZ』という夕方のニュース番組に取り上げられました。

樽のタガにする竹を割ってくれている「松下竹店」と「泉勇之介商店」も協力してくれました。

2010年4月21日

古い醤油用の木樽(たる)

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倉庫を整理していたら、昔の醤油樽(たる)がいくつか出て来ました。
明治から昭和30年代の終わり頃まで、
竹十では主に小豆島の醤油屋さんへ大量の醤油樽(たる)を
船積みして出荷しておりました。
もっぱら業務用の四斗樽(72ℓ)でした。

木樽(たる)の箍(たが)も何十年も経過しますと画像のように飴色になります。
切ったばかりの青い竹も清々しいものですが、このように古色が出て来ますと、
また別の味わいがあって、むしろ需要が増えて来て探し出すのに苦労いたします。
新しく同じ物を作ることは出来ませんから、これに似た古い感じの樽(たる)を
作る機会が増えました。


2010年4月10日

昔の木製樽のように、丈夫な底と蓋をつくる

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ほんの20〜30年程前、大量に均一の酒樽を製造しなければならない時代があり、
そのために多くの樽屋は木工用の接着剤を多用し始めました。
「たるや竹十」でも、その手法が残ったままになっておりました。
考えるところがあって最近、木製樽の製造工程上、本体の樽にはもちろん、蓋(ふた)にも底にも化学物質を含む接着剤を一切使わない事にしました。
江戸時代までさかのぼらなくても、昭和の中頃までは樽をつくる際に接着剤を使いませんでした。
需要が少なくなった今となっては、かつての伝統的な手法を復元する事が
少々手間はかかりますけれど川上産の吉野杉のみを用いた良質の木製樽を作る唯一の手段だと判断したからです。
底や蓋においては数枚の杉板を継ぐ際に接着剤の替わりに竹釘を使います。

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漬物樽や味噌樽の押し蓋と上蓋も接着剤を使わずに竹釘を使用し、
更に厚みを2センチ程の丈夫な吉野杉の板目材を使う事にしました。
写真の上が新型。見た目は悪いですけれど、丈夫で安全です。

尚、例外として食品の容器ではない樽太鼓とディスプレイ用展示樽の蓋の一部には、
接着剤を使う事が未だありますが、御容赦下さい。
いずれ全ての木製樽を接着剤未使用にして行く積もりです。




味噌(みそ)作りの容器に木製樽を使う

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数年前から、味噌(みそ)を家庭で作られる方が増えてまいりました。

自家栽培の有機大豆、国産の天日塩、手づくり麹まで揃えておられるのに、
肝心の容器がホウロウや陶器、プラスチックでは折角の味噌が台無しです。
味噌(みそ)を醗酵させるために最適な容器は木製樽なのです。

木製樽は自身が呼吸しているので不要な水分を外へ出し、
新鮮な空気を中に入れて理想的な醗酵を促します。
木製樽の中でも選ぶのなら杉材のものを。出来れば吉野杉の樽を。
そして柾目ではなく、板目の物を使って下さい。
長期保存のための容器には「木製桶」でも柾目材は使わず、板目材を使用します。
柾目ですと長い期間に木目から液が滲み出してしまうからです。

写真の味噌樽(大)は敢えて赤味材の中でも黒い部分を選んで作りました。
黒い方が「アク」は強いのですが、木製容器としては丈夫なのです。

弊店の木製味噌容器は「樽」であって、「桶(おけ)」ではないのです。
「桶」の手法で木製容器をつくると、「樽」よりも時間と費用がかかります。
出来るだけ廉価に手作り味噌の容器を皆さんに提供したくて試行錯誤の末、
ようやく完成しました。

今は更に大きい味噌樽も試作中です。もうすぐHP上に登場の予定です。
もちろん、全ての部分に接着剤は一切使用しません。

尚、右に写っている蓋(ふた)は、樽(たる)に使う「落し蓋」と「上蓋」。
厚みは1センチ以下ですし、更に柾目材なので、長い間使っていると、
湿気を含んで歪んで来る可能性があります。
今は蓋(ふた)も板目材に順次変更して、継ぎ目には竹釘を使うように変更しました。
厚みも2センチ程のしっかりした物に順次替えております。





2010年4月8日

酒樽屋のお八つ  その弐拾玖 

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桜、満開。
花見団子ですけれど、形は同じでも餡で出来た茶席用のもの。
酒樽屋の親方は、お八つに気楽にいただきました。
お薄はビタミンがたっぷりだそうです。

DSC00445.JPGDSC00446.JPGDSC00448.JPG  

その他の蒸菓子「若草」「春日野」「桜花」
甲乙つけ難し。





御菓子司 緑菴(りょくあん)

定休日 第2、第4水曜(祝日を除く)
営業時間 午前9時~午後7時
 京都市左京区浄土寺下南田町126-6
 電話 075-751-7126

2010年4月7日

鏡開き用の酒樽に「謝」と書す

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某研究室の謝恩会に吉野杉の酒樽で鏡開きをしたいという依頼がありました。
主賓の教授が大の日本酒党なので院生の方々が、是非、鏡開きの宴を催したいという趣旨。

一斗樽に菰を巻いては折角の酒樽が台無しになるので、
酒樽の正面に「謝」と墨書きしてもらった和紙を貼ったら酒樽が一段と引き締まりました。

20年程前までは菰を巻かずに鏡開きしておりました。
その頃までは、必ず酒樽の正面に酒の銘柄を刷り込む風習があり、それを「腹書き」と呼んでおりました。

学生たちに囲まれた先生の、お喜びになっている顔が見えてくるようです。

2010年2月20日

樽屋も吉野杉の良し悪しを見落とす

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吉野杉は色も香りも最高なのですが、なにしろ自然のものです。
年に一度位、写真のように「目越し」という状態になる事があります。
この場合は、どのように手を施しても滲みを止めることが出来ません。
しかも、場所が樽(たる)の底です。交換以外に修理の方法はありません。
たくさんの吉野杉から樽(たる)に適した材料を選別することが酒樽屋の親方或いは、
番頭の役目なのですが、この場合は作業中の見落としと言えましょう。

幸い「たるや竹十」が使っている奈良県吉野郡の川上村周辺の杉だけは、
乾燥させて、もう一度使うと滲みが止まる魔法のような不思議な性質を持っています。
川上村特有の土質に依るようです。
しかし、この樽(たる)の場合は大事を取って底は交換することにしました。
「目越し」になる「ネキ」類と「風折れ(ウテ)」だけは樽(たる)には一切使う事が出来ません。
これらについての詳細は後日。

2010年2月19日

ディスプレイ用樽(たる)又の名を売場樽(たる)

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いわゆるディスプレイ用樽です。
店舗設計や施工会社の方からの依頼や、店頭のディスプレイに使いたいというお店から直接の
御依頼があったりします。
木樽に乗せて展示すると商品がいっそう引き立って見えるそうです。
店舗の売場に設置するので、「売場樽(たる)」とも呼びます。
高さが56センチあり、底は上から12〜15センチ下がった所に固定します。

この写真の樽(たる)は更に上へ笊(ざる)を乗せるという御指示だったので、
液体は若干洩れます。
全く洩れない物も作ることが出来ます。
漬物屋さんが直接樽に糠を入れる場合です。
この時は箍(たが)を更に二本増やします。当然少し値段が変わります。

右側は普通の一斗漬物樽(たる)高さが34センチなので通称34型と呼んでおります。

一番右側に少し見えているものは親方愛用の自転車に付いているCAMPAGNOLO,コルサレコードの前期型リアディレイラーと同じカンパのOMEGA のリム。




2010年2月7日

樽(たる)

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樽という漢字は木偏に尊と書きます。稀に土偏になることもあります。
もとは、尊だけで「たる」呼びました。

尊という字が角樽の形に似ているので、これだけで「たる」や「そん」と呼んでいましたが、
「尊い」と区別するために左に木を付けて「樽」となったといいます。

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こちらは撮影風景。アイルランドの写真家デビットさんのセッティング。
フランスの出版社の企画、写真集[SAKE](仮題)のための撮影です。
樽などをお貸ししたご縁で、彼の了解の元、酒樽屋も撮らせていただきました。
さすがにプロのセッティングですね、拙写(上の写真)もうまくいきました。



2010年2月4日

酒樽屋が使う植木樽

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本日、立春。東風、氷を解く

「氷が解けたら何になるか?」という理科の問題に「春になる」と回答した小学生に一票。
それを正解にして、◎を三つ付けた先生にも一票。


酒樽屋は酒樽(さかだる)ばかり作っている訳ではありません。
味噌樽(みそたる)、漬物樽(つけものたる)、樽太鼓(たるたいこ)は勿論ですが、
この他に、隠れた逸品があるのです。

「植木用の木樽(たる)」です。
木製樽は吉野杉と竹だけで作り、接着剤などの化学物質は一切使わないので、
大きく分類すれば樽(たる)も「植物」の一種です。
ここで植物を育てる訳ですから友達同士、仲良くなって当然。
樽(たる)は適度の水分を植木からもらい、余った水分は植木の方へ譲りながら、
互いに助け合っているようです。