2010年4月10日

昔の木製樽のように、丈夫な底と蓋をつくる

DSC09814.JPG

ほんの20〜30年程前、大量に均一の酒樽を製造しなければならない時代があり、
そのために多くの樽屋は木工用の接着剤を多用し始めました。
「たるや竹十」でも、その手法が残ったままになっておりました。
考えるところがあって最近、木製樽の製造工程上、本体の樽にはもちろん、蓋(ふた)にも底にも化学物質を含む接着剤を一切使わない事にしました。
江戸時代までさかのぼらなくても、昭和の中頃までは樽をつくる際に接着剤を使いませんでした。
需要が少なくなった今となっては、かつての伝統的な手法を復元する事が
少々手間はかかりますけれど川上産の吉野杉のみを用いた良質の木製樽を作る唯一の手段だと判断したからです。
底や蓋においては数枚の杉板を継ぐ際に接着剤の替わりに竹釘を使います。

DSC09910.JPG

漬物樽や味噌樽の押し蓋と上蓋も接着剤を使わずに竹釘を使用し、
更に厚みを2センチ程の丈夫な吉野杉の板目材を使う事にしました。
写真の上が新型。見た目は悪いですけれど、丈夫で安全です。

尚、例外として食品の容器ではない樽太鼓とディスプレイ用展示樽の蓋の一部には、
接着剤を使う事が未だありますが、御容赦下さい。
いずれ全ての木製樽を接着剤未使用にして行く積もりです。




0 件のコメント:

コメントを投稿