2012年12月26日

酒樽屋に於けるてんてこ舞いと、てんやわんやの大わらわ

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毎年の事なのですが、暮れも迫って参りますと各蔵は酒樽の出荷に大わらわであります。
当然、酒樽屋もこれらの酒樽を沢山作らなければならず、
皆様の御注文を全て御請出来ず、多数の御迷惑をおかけしました。
申し訳ございません。
次回からはもう少し手順よく樽作りを進めるべく精進してまいりますので、
どうぞ御容赦のほど、お願い申し上げます。

2012年9月21日

酒樽屋では古い樽も常備しております

たるや竹十は基本的に御客様から依頼があってから、
セミオーダーメイドで樽を作っているので、全ての樽が新品なのですが、
時折、古色を帯びた樽が必要だという要望があります。
今回も撮影用に昔の四斗樽を倉庫から出して来て、
中底(四斗全部ですと大きいので途中に底を入れて二階建にしています)入りを
特別に作りました。
こういった古い樽なども機会があれば積極的にストックしておくように心がけております。

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2012年8月15日

樽屋の夏休み

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いつも御贔屓に有り難うございます。
私ども樽屋は8月15日から8月31日まで夏期休暇を頂きます。
今年は思うように樽を作る事が出来ず、皆様に御迷惑を御かけして、
申し訳ありませんでした。
��月から気持ちを入れ替えて精進致しますので、宜しくお願い致します。

 休暇中は電話、FAXなどの対応が一切出来ません。
 メールを入れて頂ければ,後日返信致します。

2012年6月5日

錦市場の漬物屋さんに並ぶ木樽(たる)

bg_header.jpg高倉屋さんの旧HPより

京都 錦市場には沢山の漬物屋さんが並んでいるのですけれど、
東端でひときわ眼を惹く店が「高倉屋」さんです。
この店だけが漬物樽(たる)にビニール等を敷かずに直に糠を容れているので、
吉野杉の木樽(たる)自体が呼吸していることと相まり、漬物の発酵を具合よく助け、
作業はなにかと大変なのですが、格段と美味しい漬物が仕上がるようです。
当然ながら、連日、大勢のお客さんでごった返しております。

頻繁に記念撮影をしてもらっている、これらの木樽は全て「たるや竹十」が納めました。

それに忘れてはならない事は店主のバッキー井上さんが、すこぶるユニークな方である事です。
入手困難で不思議な単行本『意気がかり情』や雑誌Meetsに「百の扉、千の酒」を連載中。






2012年6月1日

酒樽用に吉野杉を乾燥させる

%E3%81%8A%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%84.jpg吉野町の古絵葉書より

割った吉野杉が樽丸として酒樽に使えるようになるまで数ヶ月間の乾燥が必要です。
最近は見かけなくなりましたが、かつては灘の浜でも写真のように
榑(くれ)を高く積み上げて、自然乾燥させたものです。
「おおばい」と称し、まるで家のようになっていて子供が遊ぶには格好の場。
中に入っていたりするとひどく叱られたものです。

もしかしたら、この写真は醤油樽の底板を作っている風景かも知れません。






2012年5月28日

酒樽屋が敬愛してやまない今和次郎の「眼差し」

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今、大阪の国立民族学博物館では「今和次郎 採集講義・・・考現学の今」という
不思議な展覧会が催されています。
��月19日までです。(水曜日休み)

今和次郎は不思議な人で、考古学に対し考現学を提唱。
「モデルノロヂオ」と名付けて街の風俗を克明に採集、考察して膨大な執念のスケッチブックを残しています。
民家のスケッチも多数残しており、当然ながら樽(たる)も登場します。

t_7.jpeg工学院大学蔵


2012年5月4日

職人尽絵に見る桶師と竹屋

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さまざまな「職人尽繪」が残されていて、その中に樽屋(たるや)も出て来ます。

上の画像は伝土佐光起による「職人合せ」計二十四枚屏風の一部で、
川越市喜多院に所蔵のものです。
表題は「樽屋圖」ではなく、「畳師圖」でした。
圖の上の方で作業しているのが畳屋さんでしょう。
下の方で作業しているのは「桶師」であって、
「樽屋(たるや)」ではなく、未だ樽屋と桶屋の区別が出来ていない時代です。
但し、この頃すでに竹屋と桶屋が分業されている事が判ります。



2012年4月29日

酒樽屋のお八つ 其の参拾漆

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ご存知の「かりんとう」です。
以外に歴史が古く、遣唐使がもたらしたという説や、スペインの菓子を真似たという説。
あるいは姫路藩の命により長崎のオランダ人が製法を伝授等々。

確かに「かりんとう」は兵庫県姫路の特産物なのです。
現に、この函の「かりんとう」も城下町姫路の産。
市場に出回っている物に比べると非常に堅いので、
食べる時は少々注意を要します。

其の味は極上。
「美味佳良」に偽りはありません。
但しカロリー過剰摂取には御注意ください。

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兵庫県姫路市博労町88
金岡製菓 079-292-3464


2012年4月28日

酒樽(たる)の底蓋(ふた)に竹釘を使った時の失敗 

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たるや竹十の樽(たる)は一切の化学的接着剤を使わず、竹釘を使用しています。
ただし、接着剤を使用する方法に比べますと容易な作業ではありません。
時には画像のように竹釘(たけくぎ)が底板を貫通してしまい、割れる事もあるのです。


2012年4月25日

風呂桶を植木鉢に転用した例

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楕円形の風呂桶(おけ)ですけれど、手入れが悪かったのか、不要になったのか
どちらにしても箍(たが)も欠損していて修理不能。
底に穴をあけて「植木鉢」に転用しています。
こんなに大きな陶器の植木鉢は無いでしょうけれど、桶の中は根が一杯になっていて、
仮に留めている針金を切ってしまう勢いでしょう。
数年の寿命と思われます。

因みに「たるや竹十」の製品ではありませんが、本来の使い方をしていれば、
まだまだ現役の風呂桶であった筈です。


2012年2月24日

酒樽(さかだる)を分解する

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酒樽屋は酒樽を拵えているだけではありません。
時には酒樽(さかだる)を分解することもあります。

底を抜き、竹の箍(たが)を一本だけ残すと、
側が放射線を描いて、星のように分解します。
この側を短く切って、少し小さな樽(たる)に再生したりします。

2012年2月22日

酒樽屋の虫養ひ 其の拾伍 蕎麦

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ご存知、大黒屋の「鴨せいろ」です。特に説明は不要でしょう。
伏見の酒造会社へ酒樽(さかだる)の説明に出かけた帰り、
毎度の樽屋の虫養ひです。

〒604-8022 京都市中京区木屋町蛸薬師西入ル南車屋町281番地
  075-221-2818
  11:30~9:00 火曜日休



2012年2月13日

大吟醸の酒粕登場

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いよいよ、大吟醸の酒粕が入手できました。
蔵元は酒粕を作っている訳ではなく、酒を作っているのですから、
酒粕の事ばかり話をして叱られました。
市販の段ボール状の酒粕と違い、柔らかくて良質の菌をたっぷり含んでおります。

本来は味噌樽を買って頂いた御客様にカビ発生防止の為に同梱していたのですが、
粕汁甘酒以外にも利用方法がたくさんあって、喜んで頂いております。

2012年2月11日

酒樽(さかだる)も凍る寒さ

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余りの寒さに、酒樽の中の水も凍っております。

酒樽を拵える段階で幾度か「水」を用います。
最後の仕上げ、「洩れ検査」にも酒樽の中に微量の「水」を容れます。
各種の刃物を研ぐ事も出来なくなります。
こんなに温度が下がると「水」が「氷」になってしまい作業は出来ません。

今日は「建国記念日」だそうですが、酒樽屋は樽(たる)を作る予定でしたけれど、
やはり諦めて、書類整理に急遽変更しました。

昔の職人達は、こういう温度になると、さっさと道具を片付けて家に帰ってしまいました。



2012年2月7日

酒米を洗う

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いよいよ、酒米を洗う訳です。
米のための容器は残念ながら木製桶ではありません。

洗った米は、次の段階で蒸すのですが、そこで必要になる物が、
「飯布」と呼ばれる特殊な布です。
一枚が畳と同じ一畳あります。多分、麻で出来ている筈です。
他の蔵で不要になった「飯布」を差し入れに行ったのですが、
もっと欲しい布は麹を作る時に使う「麹布」だそうです。
こちらの方がもっと目が細かいのですが、両者を比べないと違いが判りません。
どちらも最近は化学製品になってしまい、しなやかさに欠けている上、
化学繊維の方が黴が発生し易いのだそうです。

因みに、これらは世間で流通している柿渋で染めた酒袋とは全く用途が違います。
酒袋の素材は麻ではなく、木綿です。



2012年2月5日

最高の酒米、山田錦登場

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清酒には不可欠な酒米、「山田錦」が入荷。
と言っても酒樽屋に届けられたのではなくて、
酒樽屋が出入りしている酒造会社の蔵に届けられた物です。
これを使って「大吟醸」を少量つくるそうです。

ちなみに、予定価格は一升瓶一本1万5千円。
ワインに換算しても一本6000円。決して大衆向きではありませんが、
価格相応の味わいを持つ清酒が出来る筈で、決して「超」が付く高級品ではないのです。
昔は、一本お裾分けが通例だったのですが、今は割引販売もないでしょうね。
誰かヴァレンタインディに贈り物に選んでくれればいいのですけれど。




2012年2月3日

酒樽屋の雛祭り

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節分であります。季節が変わる筈なのに益々寒くなって行きますね。
灘五郷の東部「白鹿記念酒造博物館」では「節句の人形展」が催されます。
西部の「神戸酒心館」でも先頃寄贈受けた、同じ五世丸平の雛人形を展示します。

酒樽屋の床の間でもささやかながら、雛飾りが施されます。
弊店の人形は先の地震のため揃っていないものの、三世による安政年間のものです。



2012年1月19日

正月気分が終わった頃の酒蔵

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毎年今頃になると、正月の鏡開きに使われた酒樽がいくつも酒蔵に戻って来ます。
巻かれた菰(こも)を解き、中の木製樽を取り出して、
未だ使えそうな木製樽は一部を手直したあと、
「一空樽(いちあきだる)」として漬物樽等に転用されます。



2012年1月18日

酒樽屋と震災

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神戸を襲った大震災から17年目の1月17日です。
表面的には復興したかのようですが、未だ何も変わっていないどころか、
むしろ悪くなって行く場所が各地に見られます。

そんな日に偶然、福島の小学校から樽太鼓の注文が来ました。
今でも避難所になっているのだそうです。新学期が始まったので大変でしょう。
先月にも送ったのですが、転居先不明で戻って来ました。
実は別の場所に新校舎を建てている最中だったからでした。
丁度、近所の酒蔵で新粕が出来た時だったので一緒に送りました。
暖かい粕汁にでもして下されば嬉しいのですが。



2012年1月15日

酒樽屋の新しい手帳

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小正月です。酒樽屋の手帳も新しいものに替わっております。
去年はカナダのPaperblanksでしたが、今年はフィレンツェノートことCIAKを選びました。

手帳は慣れた物を毎年使うべきだという事は判っているのですが、
一年間持ち続ける物ですし、ついつい珍しいものを見つけると手を出してしまいます。

新しいフォーマットの手帳に慣れるまで数日かかりました。
殊にCIAKは来年版まで日本語表記がないのと文字が小さくてインクが薄いので、
年齢を選ぶかもしれません。
赤黒は単なるノートと間違って買ってしまったので、仕方なくダイアリーを探しに行ったら白黒も良かったので、二種ある訳です。
実はPaperblanksは昨年、アフガニスタン絨毯支援に協力した関係で別に未使用が2冊もあるのです。
どなたか必要ありませんか。
いくら良い物でも今年の手帳を何冊も持っていても仕方ありませんからね。






2012年1月3日

酒樽屋の三ヶ日

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酒樽屋の正月三ヶ日も皆様同様、ただただ暮れの疲れを癒す日々です。
七日から営業の予定ですが、
すぐに連休が続きますから実際は十日からの仕事始めとなります。

              子を持たぬ身のつれづれや松の内 荷風

2012年1月1日

酒樽屋から新年の御挨拶

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新年の御挨拶を申し上げます。

今年も良質な吉野杉をもとめて、川上村を走りまわり、
接着剤を一切使用しない安全な樽をひとつずつ丁寧に作って行く所存です。