2015年3月5日

樽太鼓の規廻し(ぶんまわし)

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規廻し(ぶんまわし)です。規とは要するにコンパスです。
製図などに使用する物の大型版です。
樽太鼓(たるたいこ)、漬物樽、味噌樽は勿論、酒樽などに塡める
ソコとフタを丸く加工する際に見当を付けておく簡単な道具です。
昔のまま、木製の規廻しを使うと微妙な誤差が出ますので、
今では主に写真の上に乗っている金属製の物も使います。

誤差が出ますと銑(せん)という刃物を使い修正すると同時に
断面を滑らかに仕上げます。銑廻しと言います。

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こちらは「引き回し」の作業です。大きな帯鋸(のこ)で印を付けた通りに丸くして行きます。
印の線の中心を切るか,外側を切るか、内側を切るかで直径は当然変ってしまいます。
そして、大切な点は真円ではなく、ほんの少し楕円に廻し切る事です。
写真で見ると右端と左上の部分を木頭(きがしら)と言うのですが、
この部分を他より少し大きく取って楕円にします。
タガを締める事により木目が縮まり、酒樽(たる)になった時に真円になる訳です。
逆に真円のソコやフタで樽(たる)を作ると逆の楕円型に仕上がってしまいます。
良い樽(たる)とは言えません。



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