2008年1月21日

海を渡った「たるや竹十」の酒樽

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このごろ、酒樽を使って鏡開きをしたいという依頼が海外からよくあります。
昨年は、ロンドンへ結婚式の披露宴用に酒樽をお送りしたのですが、
今度はアメリカのノースカロライナ州から現地で催す新年会に酒樽のよる鏡開きをしたいので四斗樽(72リットル)を手に入れたいとの相談がありました。

ロンドンに送ったのは一斗樽(18リットル)だったのですけれど、今度は100人以上が参加する催しなので大きな酒樽でないと迫力が出ません。
ところが、航空便の運賃は三辺の合計が160センチを超えると酒樽の価格をはるかに上回ります。
そこで、今回は上から見ると四斗樽(72リットル)ですが、36リットル入りに底上げして、更に下の部分を切り取ってしまうという、かつて無い手法をとりました。

これを更に段ボール梱包しないと海外輸送は受け付けてくれないので、サイズ合わせに少々苦労しましたが、その甲斐あってか樽酒(中身はカリフォルニア米の吟醸の由)はさすがに美味しい、と現地の方々にもたいそう気に入ってもらえたそうです。

吉野杉の酒樽に清酒を入れておくと酒の味がまろやかになって、口当たりが良くなっていきます。


皆さん、最初は菰樽を依頼されてこられるのですけれど、菰(こも)は植物検疫により殆どの国で通関出来ません。
仕方なくビニール菰を使うのですが、これほど味気ないものはありません。
菰(こも)はあくまで輸送中における酒樽のための保護材。
酒樽が届いたら、菰を解いて裸の樽を出し、杉の木目と結い竹の美しさを楽しんで頂きたいものです。

写真のように正面に好みの文字を和紙に墨書きして貼れば酒樽が引き締まります。


この酒樽は トライアングル地区日本企業商工会(TJBA)から、この合同新年会に寄付されたものだそうです。


「米国ノースカロライナ州トライアングル地区日本関連団体合同新年会」
会場はダーラム市デューク大学内デュークガーデン

この日の様子は地元の新聞The News & Observer紙に「餅つき」や「おせち」と共に紹介されました。
日本以上に日本古来の伝統的な風習に則った新年会だったようで、世話をされた方々は さぞ大変だった事だろうと、その苦労が偲ばれます。







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