2007年11月30日

酒樽屋の「お八つ」 其の拾

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煎茶好きの酒樽屋(さかだるや)のおやかたに京都から「涼炉」と「羽帚」の焼印入り煎餅の到来物

寶盛堂 田中製菓
京都市上京区五辻七本松西入東柳548
��75-461-1490


五辻は「いつつじ」と読むそうです。「ごつじ」と呼んで樽屋の女房に笑われました。
本当に京都の地名は難しい!!!


神戸にも「田中金盛堂」という酒樽屋贔屓の煎餅屋さんがあるのですが、関係があるのかな。
ここも後日、紹介します。

2007年11月17日

酒樽屋(さかだるや)の「めでたい輪」

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「めでたい輪」製作 たるや竹十 意匠 DIVA

酒樽屋(さかだるや)が作った正月用の「お飾り」が梅田阪急で展示即売されております。
「こじつけ師」こと伊部壽夫さんにセレクトしていただいた物です。

酒樽(さかだる)に使う箍(たが)をリースに仕立てました。
普段と違い、延々と箍(タガ)を巻き続けたので、両手は棘だらけです。
竹の箍(タガ)は素手でないと、うまく巻けないので仕方がありません。


「お正月を楽しむアート展」
阪急・うめだ 9階和食器売場

��1月14日(水)~20日(火) 
大阪市北区角田町2番7号 電話 06-6361-1381
あさ10時→よる8時

��*11月21日(水)~27日(火)の「ジャパニーズ レトロ コレクション」にも樽屋(たるや)の「クリスマスリース」が展示即売されます。(同店7階)

2007年11月9日

タイコ樽(タル)=樽太鼓(タルタイコ)の修理

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たるや竹十では、タイコ樽(タル)=樽太鼓(タルタイコ)の修理も承っております。
写真の樽(タル)は前の持ち主が金釘や針金を使って、箍(タガ)が止めて応急処置をしたものです。
木製の樽(タル)には釘を打ったり、或いは木工用ボンドを使用してゆるんだ箍(タガ)を固定しても、きちんとした修理にはなりません。
太鼓(タイコ)としても音は良くはならないのです。

たるや竹十に送ってくだされば割れた蓋(フタ)や切れた箍(タガ)を新しいものに替えることによって、新品同様にする事が出来ます。
タイコ樽(タル)だけではなく、ディスプレイ樽(タル)も同じように修理して再利用する事が出来ます。

詳しくは、下記まで、お電話下さい。

078-861-8717

2007年11月3日

酒樽屋(さかだるや)が作る特殊な樽(タル)

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今では、殆どの木製樽は菰(こも)に包まれたままで、中を見てもらえません。
酒樽屋(さかだる屋)にとって、こんなに悔しいことは無いのです。

昔は、菰(こも)輸送中に酒樽(さかだる)が傷まないようにする為のプロテクターだったのですが、
他の蔵元の酒樽と差別化するために、どんどん派手になっていって、神社に最近飾ってあるように、
一目で、どこの酒樽(さかだる)か識別出来る様にはなりました。
それと並行して、中の木製樽は見えないから質が悪くてもいいという傾向が強くなり、粗悪化していってしまったのです。

たるや竹十では、出来るだけ木製樽をそのまま見てもらえるように菰を巻かずに裸で出荷するようにしております。
それでは、どこの酒が入っているのか判らないので、正面にレッテルを貼ります。
昔は「腹書き」と言って、ここに何版かの刷り込みを施し、各種の柄や蔵元の銘を色鮮やかに表現したものなのです。
個人的にパーティなどで木製樽を使う時、銘柄ではなく、好きな文字を和紙に墨書きして張っております。
版を作らなくてもいいので、酒の銘柄に囚われることなく、好きな文字を書くことが出来ます。

写真の木製樽は上から三本目と四本目の箍(タガ)で樽の中ほどに仕込んだ底を締め付けることのより、四斗樽(タル)の形をしていますが、容量を二斗に変更しています。
更に上に箍(タガ)を締めると、一斗入りのものも出来ますが、ラベルを貼るスペースがなくなります。

2007年11月2日

山本六三の展覧会

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��0月29日(月)~11月10日(日)
スパン アート ギャラリー SAg
東京都中央区銀座2-2-18 西欧ビル一階
��3-5524-3060

樽屋(たるや)も行きたいのですが、忙しい時期になってしまい、残念ながら見に行けないのです。

来月、このSAgで内藤ルネさんの「お別れの会」があります。

2007年10月28日

漬物樽(つけものたる)の入れ子

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また、漬物樽(つけものたる)です。

左が二斗(36リットル)樽、右が四斗(72リットル)樽の漬物樽です。
二斗樽と一斗樽は丁度、入れ子に出来ますが、四斗樽に二斗樽を入れると、少し頭が出てしまいます。
それに、押し蓋(ふた)と上蓋(ふた)を同梱すると、発送するのに輸送料が倍になってしまいます。
漬物樽(つけものたる)はやっぱり大きい方が良いのですけれど、最近の住宅事情や昔のように大家族の家は少なくなってきているので、主流は一斗樽(たる)になってしまいます。

2007年10月27日

たる屋が作るタイコ樽(タル)

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酒樽屋は、その名の通り普段は酒樽(サカダル)を作っているのですが、秋祭りなどが近づくとタイコ樽(タル)の注文が増えます。写真は二斗(36リットル)のタイコ樽(タル)。
本来は「樽太鼓(タルダイコ)と呼びます。

取りあえず、25個作りました。
これだけ並べると壮観です。
タイコ樽(タル)は光、風、水に弱いので、使用しない時の管理が大変です。
たるや竹十ではタイコ樽(タル)の修理も行なっております。
決して、タガを釘で打ったり、ボンドを塗ったりしないで下さい。
釘を抜き、ボンドを剥がしたりする作業がタイコ樽(タル)の修理より手間がかかるのです。

2007年10月24日

たる屋の長い休暇

今日はもう霜降です。漬物の季節です。

サーバー会社の不調により、随分長くブログが出来ませんでした。
余り故障が多いので、別のサーバー会社に引っ越すことにしましたが、これが結構たいへんなのです。

そんな事をしている間にミック新アルバムを出しました。
��種もあって、【限定デラックス・エディション】というDVD、字幕付きが出るまで待っていたのです。

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ジョン・レノンがプロデュースした未発表曲"TOO MANY COOKS"が収録されている事などが売り物です。
ベースは画像の通り、ジャック・ブルース!

2007年8月4日

樽太鼓(たるたいこ)の蓋(ふた)の違い

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「たるや竹十」で使っている蓋(ふた)は酒樽(さかだる)の時は勿論、樽太鼓(たるたいこ)を作る時も、

写真のように、周囲を山型にして、強度を増すようにしています。



上は普通の押し蓋(おしぶた)型の切り方、下は先端を山型にして、側の杉板に開けた「あり」に食い込むようにしたもの。

こうして、ひと手間かけることによって、樽太鼓(たるだいこ)の強度は格段に増します。



樽太鼓(たるたいこ)は見た目よりも音が命ですから・・・・・



2007年8月3日

THE BIGGEST BANG

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遂に、日本版発売!!!



DVD4枚組み。全部で7時間30分もあるので、未だ半分も見ていません。

キースの英語はさっぱり判りませんから、(他のメンバーの英語が理解できるという意味ではありません)少々高くても字幕付がお奨めです。



THE BIGGEST BANG

酒樽屋の「虫養ひ」 其之参

%E5%85%AC%E6%A5%BD.JPG 一枚500円のざる蕎麦



酒樽屋は所用で時々神戸花隈に行くのですが、この時に立ち寄るのが「洋食の朝日」と

ここ「公楽」です。

二軒とも昼時には行列が出来ています。

「公楽」へは久しぶりに行ったのですが、決してなじみ客でもないのに「のり抜き、やったね?」と

元気な、おねえさんに訊かれた時はちょっと驚きました。



350円の一口丼とのセットが名物です。



店主の津田さんは「ざる蕎麦」とは冬の食べ物であるいう考え方で、八月は殆ど営業しません。



神戸市中央区市下山手8丁目8の1

午前11:00~午後4:00

土曜、日曜、祝日休業

��78-341-1406




2007年7月22日

漬物は板目の漬物樽が一番

漬物樽や味噌樽には、木製の樽が発酵に最適であるという事はすこしずつ理解されてきました。しかし、長期保存には板目の樽が一番適しているということを、皆さん忘れてしまっておられるようです。
柾目は短期間の使用を繰り返す風呂桶や寿司半切、お櫃(ひつ)などに適しています。
柾目の杉を漬物樽に用いますと、必要以上に柔らかい春目の細胞から水分が過剰に排出し、漬物樽には適しません。

樽は板目、桶は柾目であるという事が基本ですが、長期保存用のような場合は例外もあります。
例えば一昨日、紹介した大桶がそうです。桶という呼び名ですが厚い板目材を用いております。

漬物には板目の漬物樽(たる)を お使いいただくのが理に適っているという訳です。

%E6%9F%BE%E7%9B%AE.JPG柾目の桶

2007年7月21日

酒樽屋の「お八つ」其の九

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力仕事の酒樽屋では、休憩時間によく甘い物を「お八つ」にします。
江戸、明治の徒弟制度の時代には考えられなかったことですが・・・・・

樽屋は町内にある和菓子屋へ走ります。
ここで阪神間の一部の地域限定かと思われる和菓子「しがらき餅」が買えるからです。
神戸市内でも、樽屋が知っている限り、ここを含め二軒しか売っていません。
夏限定のお菓子です。

写真左下のように、そのままでは「カットおにぎり」です。「おはぎ」の中身のような餅米の半つきです。きな粉をたっぷりかけて、ようやく「お菓子」になります。
本来はソーセージのような円筒形になっていて、糸で切って食べたものです。

昔は夏になると、リヤカーを牽いたおぢさんが「わらび餅」と一緒に売りにやって来ました。

さお竹屋や金魚売りが町から消えて行き、日本の風情の変化に樽屋も寂しい思いをしております。


あわじ屋
阪神電車大石駅下車すぐ南 神戸市灘区船寺通1-3-3
電話 078-861-5447 


酒樽屋の近くにある大桶

%E5%A4%A7%E6%A1%B6.JPG沢の鶴資料館にて


たるや竹十」の前にある資料館で展示されている大桶です。
��0石桶ともいい、酒造関連では一番大きい桶です。
何人もの人間が入るほど大きい。
直径が2m30cm、深さ1m95cm
容量6336ℓ、即ち一升瓶で3520本分。
先日紹介した「つけもの」という保育社の文庫本の表紙になった物はこれでしょう。

今ではこれらの杉製大桶は大変貴重です。

昭和30年代半ばから、40年代にかけて、全国の日本酒の蔵元は、これらの大桶をどんどん廃棄し、
琺瑯(ほうろう)やステンレス桶に替えていきました。
そして、中古の大桶は醤油業者、味噌業者あるいは漬物業者が使っていました。

最近になって、その価値に気がついた蔵元は大桶を探していますが、もう手遅れかもしれません。
新品を作るとなると現在では数百万円程かかってしまいます。
箍(たが)に使う竹も酒樽より長い物が必要なので、竹の時期の良い冬に準備しておく必要があります。
大桶製作は三人一組でないと出来ないので、少なくなっていく職人の事を考えれば新しくあつらえるのも、増々困難になって来ています。


最近、桶の保存会も出来、再評価されてきました。


tsunemine-2.JPG名人、故常峰巌師匠の工房前での桶輪替風景


「たるや竹十」でも、明治期には大桶を作っていたものです。

2007年7月19日

吉野杉の酒樽と杉箸

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酒樽に使う最適の材料として開発されたものが吉野杉です。杉製品として酒樽と杉箸は助け合って発展してきました。
現在では吉野杉といえば高級建築材だと思われる率の方が高くなっていますが。

酒樽、杉箸のどちらに使っても辺材は生まれます。
この辺材の白い部分を捨てるのは勿体ない、何かに利用できないかと考えた末、出来たのが奈良県吉野郡特産の杉箸です。

これらは、山の手入れによって出た間伐材や、焼却せざるを得ない不要な部分を利用しているのであって、決して、過剰な伐採によるものではありません。

一時、エコロジーという名のもと「割り箸は無駄」と言われ、目の敵にされて、美しい箸を作っていた吉野地方の多くの箸業者が廃業に追い込まれました。

むしろ、問題なのは現在、日本向けに行なわれている東南アジアや中国の大規模な森林伐採です。
これは明らかに環境破壊であって、現地では事実多くの自然災害を引き起こして問題になっています。
今頃になって事態を重く見た中国政府は来年から日本への輸出を禁止するのだそうです。

今、日本の市場に出回っている割り箸の多くがこれらの国からの輸入製品です。
これらの産業によって、現地の人々の生活が潤っている訳ですが、台風などの災害の際に被害者になるのはいつも現場で働いている貧しい人々です。
しかも、神経質なほど清潔好きである日本人向けに雑木を漂白までしています。
食堂の割り箸が異常に白く、奇妙な味がするのは現地での薬品処理によるものなのです。

食べ物を口に橋渡しする物が「箸」です。最も重要な食器です。
一度、吉野の杉箸を使ってみて下さい。食べ物の味が全く違うことを理解してもらえると思います。
吉野杉の割り箸は決して特別な物ではありません。一膳5円位から販売しています。

上の写真、上から「天削」、次が高級品の「利休箸」、一番下が我々が日頃よく目にする輸入品です。

明日のテレビ番組で「箸」はどんな風に紹介されるのか不安ながら楽しみです。
多分、田中淳夫氏著『割り箸はもったいない?』(ちくま新書)をヒントにするんじゃないかと樽屋は思っているのですが・・・